読書好き必読の2冊が出た!

foxsya2010-07-26

いやあ、今月は読書好きにはたまらないですね。荻原魚雷さんhttp://gyorai.blogspot.com/ の『活字と自活』(本の雑誌社)と空想書店書肆紅屋さんhttp://d.hatena.ne.jp/beniya/ の『書肆紅屋の本 2007.08〜2009.12』(論創社)が発売されたのだ。

会って、挨拶したぐらいの内容だが、どちらの本にも私が登場していて嬉しい。魚雷さんの本には、「フルマラソンに挑戦するそうだが、本を読みながら走るんじゃないだろうか」というようなことが書かれているのだが、ハーフは2回完走したが、フルマラソンはエントリーしたものの発熱により参加できなかった。今度の冬こそは!

魚雷さんの本は、神保町・東京堂書店http://www.tokyodoshoten.co.jp/ で売上ナンバーワンを記録という嬉しいニュースもあったが、昨日(7/25)の朝日新聞書評欄の「著者に会いたい」の加来由子記者の記事も素晴らしい内容だった。高円寺の古本酒場「コクテイル」で撮られたと思しき写真もいい。http://allatanys.jp/C002/index.html ←火曜日更新

いろいろな文学作品や、コラム・エッセイの文章をひいた「活字」の部分が素晴らしいのはもちろんだが、「自活」の部分が良くて一気読みした。前著『古本暮らし』(晶文社)も「古本」の部分も良かったが、「暮し」の部分が更に良かったのと同じ印象。

山川直人イラストの表紙をはじめとした中嶋さんhttp://20090511.jugem.jp/ のデザインも秀逸で、章毎に字組を変えているのもバラエティブックらしくて楽しい。藤井豊さんの約10年前の高円寺の写真や、下坂昇(くだりざかのぼる)さんの版画も収録。ちなみに、下坂さんは、池袋<古書往来座>の瀬戸さんしか会ったこともないし、連絡もつかない謎の人物?。今回の版画の代金の本の雑誌社からの振込明細の宛名は「古書往来座内下坂昇様」だったそう(瀬戸さん談)。

『書肆紅屋の本』は、一昨日(7/24)開催の「みちくさ市http://kmstreet.exblog.jp/ の会場で、紅屋さんから直接、関係者割引(何の?)で売っていただき、署名もいただいた。

こちらは、ここ2年間の「新刊」「古本」「ブックイベント」の濃密な記録である。帯に書かれた「本に魅せられた至福の日々!」でもあるが、それと同時に、現在の本を取り巻く業界に対する詳細かつ論理的な分析をも含んでいる。その分析を裏打ちするのが、紅屋さんの「学生時代4年間の書店でのアルバイト」、卒業後の「取次(日販)」「出版社の営業そして編集」という経歴だ。ブログの内容をまとめたこの本に、それらの仕事のことを書いたコラムを追加したのは、本のまとめ方として的確だし、読者にも親切だ。

今回、論創社という版元から出たのは小田光雄さんhttp://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/ のプッシュがあったことが想像できるが、それは小田さんが紅屋さんの分析力に一目置いてのことだろう(あくまで、私の想像なので、間違いだったらすみません)。最初に書籍化の話を聞いたのは、随分前の「みちくさ市」ときだったと思う。その後、難航していることを聞いたこともあるので、無事、出版されたことを喜びたい。

昨日、「みちくさ市」の疲れで、一日、寝て過ごしてしまったので、まだ半分程度しか読んでいないが(情報量多し)、本好き、また本に関わる業界で働く人必読の一冊ではあることは間違いない。本にまつわる話は「暗い」ものが多い昨今だが、魚雷さんの本と同じく、「本っていいものだよな」と、明るい気持になれる(楽観的すぎるだろうか)。しかし、「小島政二郎の著作は七〇冊ぐらい持っていても、(略)まだまだ集める本があることがわかったので闘志が湧いてきた」(149頁)って…。

みちくさ市」には猛暑の中、多くの人に足を運んでいただき感謝。詳細は参加してくださった方々のブログに譲るが、後半、かなり気分が悪くなり、熱中症なのか二日酔い(前の晩、かなり飲んだので)なのか判断がつかなかったが、撤収作業の頃、かなり具合が悪くなり、これは二日酔いではないと、その時点でやっとわかる。といっても、打ち上げの「アミ」でビールやウーロンハイといった水分を大量摂取すると、アルコールの力もあってか、気分もよくなったので、たいしたことはなかったのだろう。

打ち上げではいつもと同じ馬鹿話ばかり。最初は、<ひぐらし文庫>http://higurasibooks.blog.so-net.ne.jp/ の原田さんをいじり倒し(すみません)、寝床やさんhttp://d.hatena.ne.jp/nedokoya/ 、羊三君http://d.hatena.ne.jp/redrum03/ 、王子http://d.hatena.ne.jp/fumibako/ 、武藤さんhttp://d.hatena.ne.jp/mr1016/ のテーブルに移ってからは、下ネタオンリー。武藤さんの「ボエボエボエボエボエボエハウス〜♪」というのがくだらなくて最高! 武藤さんといえば、今、書店に並んでいる阿刀田高『闇彦』(新潮社)の表紙イラストとタイトル描き文字が話題。

闇彦

闇彦

<池袋リブロ>が「みちくさ市」に合わせて開催した「雑司ヶ谷ツアー」で甲斐みのりさんと共に案内役を務めた北尾トロさんhttp://www.vinet.or.jp/~toro/ に、新刊の『全力でスローボールを投げる』(文藝春秋)を送っていただいた(「ラブホテルは進化したのか? に、Nとして登場)お礼を言ったときに、「ブログとか全く更新してないじゃん、消息不明だよ〜」と言われたこともあり、久しぶりに更新してみた。退屈君も頑張ろう(いろいろ考えるとこあるんだったら、余計なお世話でゴメン)。