小三治師匠独演会

志木に行く。せっかくだから<古書 往来座http://ouraiza.exblog.jp/ に寄る。笹塚から都営新宿線新宿三丁目副都心線に乗り換えて雑司が谷まで行こう。笹塚まで歩いて、<一新堂書店>を覗こうと、笹塚まで歩いていくと、シャッターがまだ半分しか空いていない。シャッターには正午から営業とある。時計を見ると11時58分。店の前で本を読みながら待つが開く気配がない。残念だがあきらめて駅に向かう。

電車が新宿駅を過ぎ、次で降りようと思っていると、あっという間に新宿三丁目を通過。急行だったらしい。通勤時間には各駅停車しかないため、この路線に急行があるということが脳味噌から欠落している。特に注意しないで乗ったのだが、日中は急行が走っているのだった。市ヶ谷で降りて有楽町線に乗り換え、東池袋まで。そこから<往来座>まで歩く。

坪内祐三の『本日記』(本の雑誌社)を読みながら、知らない道を選んで歩く。文中に出てくる豊田健次『それぞれの芥川賞直木賞』、宮田毬栄『追憶の作家たち』(共に文春新書)を、今さらながら読みたいなと思っているうちに<往来座>に到着。新刊や本に関する本を集めているコーナーを見ると、この二冊が並んで棚に納まっている。

そのことをレジにいたのむみちさんに伝えると、「うちってほんとにいい古本屋さんでしょ」と言うので、ほんとにそう思うよ」と、向こうは冗談めかしていたが、こちらは真剣に答える。のむみちさんに高峰秀子関係のムック本などを貸す。最近、のむみちさんと豆ちゃんhttp://www.ricochet-books.net/高峰秀子に目覚めたらしいので。正直、著作は『わたしの渡世日記』以外は面白くないのだが、ムック等で若かりし日の姿を眺めるのは楽しい。

東上線で志木まで。車内でわが職場の広告を発見。広報が、この広告をトップに見られたらふざけすぎと怒られるのではと、心配していたが・・・そうだろう、何とも言えない。時間がぎりぎりなので、志木からタクシー。開演時間ぎりぎりに市民会館に到着。桂小三治師匠の独演会。飲み屋のオーナー夫婦、外資系やり手ビジネスマンとソムリエの夫婦、某出版社辞書編集部の女史という多彩なメンバー。

小三治師匠のまくらは、広島の産婦人科で行っている独演会の話など。噺は「長短」と「小言幸兵衛」。この間のNHKの番組での先入観があるせいか、体調が悪そうに思えてしまうが、笑いが絶えず、名人芸を堪能した。「長短」の気の長いほうの喋りの間合いなど絶妙。チケットをとるのが大変だが、小三治は生で聴き続けていきたいと強く思った。体をいたわって無理しないでほしい。

このホールは駅から徒歩15分と距離がある。たくさんの人が列になってぞろぞろと住宅街を歩いている様子は不思議。生の落語を初めて聴いたビジネスマンとソムリエ夫婦と女史は歩きながら小三治師匠の芸に感激しきり。初めての落語が小三治師匠なんて幸せなことだ。これを見越して小三治師匠の『まくら』(講談社文庫)を持ってきたので、夫婦に貸し、感謝される(我ながらまめだ)。
飲み屋のオーナー夫婦が、去年この独演会に来たときに寄ったという志木駅近くの大衆居酒屋に連れていってくれて、しこたま飲む。広い店に注文を受け料理を運ぶのはおばさん一人。当初、ものすごく愛想が悪くて、こちらも嫌な気分がしていたのだが、途中から急に愛想が良くなる。何でだろうと悩んでいたら、「このテーブルがものすごくいいお客様だってわかったからじゃない」との声あり。なるほど、確かにものすごい量の酒&肴をオーダーしている。美味しいお酒と料理が大好きなメンバーが集まったから、話も弾む。落語好きが増えたのも嬉しい。

帰りに毎日新聞社の神保町ムックを買って帰る。先日の<東京堂>でのイベントで聞いていたが、確かに有山達也デザインになっていて、スッキリ感が増した。そのときには、不完全燃焼的な発言があり(あまり時間がなかったのだろうか)、来年に期待してくださいと言っていた。来年のものは、更に有山テイストが増したものになるのだろう。

中身も黒岩比佐子さんhttp://blog.livedoor.jp/hisako9618/石田千さんのエッセイあり、岡崎武志さんhttp://d.hatena.ne.jp/okatake/ の下北の古本屋の探訪記ありとお得感あり(実際に、去年のものより500円ぐらい安くなっているような気もするのだが、気のせいか)。

広瀬和生『この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人』(アスペクトを読了。なんでCDを聴いたり、DVDを見たりしているんだ! こんなに面白い現役落語家がいっぱいいるんだ、生で聴け! 亡くなった落語家より、生きている落語家を生で聴かなきゃもったいない。そんな著者の思いがストレートに伝わってくる。自分が聴いたことのある落語家の頁を開くと、著者の評に納得させられ、その分析に舌をまく。聴いたことのない噺家も、この著者の推薦の言葉を読むと、聞きたくなる。面白い落語家が51人もいるというのだからわくわくしてくる。早速、聴いてみたい落語家を10人ほどピックアップしてメモした。果たしてチケットは取れるか。争奪戦は相当厳しそうだ。ちなみに著者は年間1,500席!以上、生で聴いているという。

この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人

この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人

◎2008年11月1日(土)〜2日(日) まもなく!

第11回 古書往来座外市

http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20081018

◎2008年11月30日(日) 参加できる”わめぞイベント”始動!

鬼子母神通り みちくさ市 プレ開催

http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20081026