至福の読書
一昨日は、仕事が早く終わったので、新刊を買いに<旭屋書店 水道橋店>に寄る。佐伯一麦『鉄塔家族(上下)』(朝日文庫)など何冊か。
ここの岩波文庫は、スペースは小さいが、決して新刊中心に置いているわけではなく、担当者がセレクトしているというのが何となくわかる品揃え。森銑三『新編 おらんだ正月』(岩波文庫)なども買う。
高野秀行『怪獣記』(講談社)が見当たらないので、棚を整理中の店員に聞くと、「一冊しか入ってこなくて、今、注文中なんです」とのこと。その一冊が売れてしまったのかと思って話を聞いていると、どうやら様子が違うので、「その一冊は残ってるんですか?」と話の腰を折った。
すると「あるにはあるんですが…」と歯切れが悪い。破損でもして状態でも悪いのだろうかと思っていると、「その一冊は…実は、サイン本なんですが…それでも構わないでしょうか」とのこと。もちろん大歓迎。サイン本が嫌だとか言う客もいるのだろうか。それとも、これは、展示用としてとっておきたかったとか?
笹塚の<一新堂書店>に寄り帰宅。<一新堂書店>では、澤地久枝『一人になった繭』(文春文庫)、和田誠ほか『ジャズと映画と仲間たち』(講談社)、庄野潤三『屋上』(講談社)を買う。
昨日は、<銀座ライオン>のバンケットルームへ。大学時代のサークルの後輩の結婚式の2次会(新婦が後輩)。なかなかクラシカルな部屋で風情がある。窓から見える銀座の夜景もいい。
新郎新婦は披露宴会場から到着したとのアナウンスがある。入り口から会場を覗き込む新婦の姿が。「主役がやけにカジュアルな格好だな」と思いながら、手を振る。新婦は気付かないようなので、振り続ける。全く無視なので、ムキになって振っているうちに、「そういえば…」と思い当たる。彼女は3つ子だって聞いたことがあった。ということは…。
その後、新郎と本物の新婦が入場し、先ほど、手を振っていた相手は妹さんだったことが判明。妹さんと話すと、知らない人から、ずっと手を振られて困っていたとのこと。恥ずかしい。しかし、顔もスタイルも声も、話し方のイントネーションも姉妹で全く同じなのには驚く。
今日は、選挙の投票に行こうと、家を出かかると、激しい雷雨。外出を思いとどまる。2時間ほど待って、雨がやんでから、会場の中学校(母校)に向かう。何があるかわからないから、これからは期日前投票にしようか。会場の入口で先輩に会う。某宗教の信者なので、何か言われるかと思ったが、何も言われず安堵。
夜、食事をしながら、選挙特番を見る。結局、自分の投票は、全て死に票になった。まあ、覚悟のうえだ。仕方がない。
佐伯一麦『遠き山に日は落ちて』(集英社)を読了。『鉄塔家族』を読む前に未読だったこの本を本棚から取り出し、読み始める。本当に心地よい読書の時間だ。外の雨音も耳触りがいい。自分は、本当に佐伯一麦の小説世界が好きなんだと再認識。段ボールに詰めないで、仮住まいの本棚に収めた本は200冊ぐらいだろうか。この本を段ボールに詰めなくてよかった。いつまでも、この世界に浸っていたいと強く思いながら、読み終わってしまう。久しぶりに、本を読んでいるときにここまでの至福を感じた。
- 作者: 佐伯一麦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/08
- メディア: 単行本
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家の工事は、基礎のコンクリートが完成。明後日の31日が上棟予定。知識としては知っていても、にわかには信じ難いのだが、2日間で、全ての構造が立ち上がる。天気だけが心配。