ボクシングに興奮!

foxsya2007-07-14

今日は仕事を昼であがり、<後楽園ホール>にボクシングを見に行く。昼食は神保町の<ヒナタ屋>http://www4.plala.or.jp/HINATA-YA/ でカレーにしようと思ったが、閉まっていて残念。やはり、11時半から22時までの営業は通しではなく、中休みが入るのだろうか。カレー心(「おいピータン!!」より)になってしまっていたので、<エチオピア>で、チキンカレーを食べる。

週刊文春」で坪内祐三さんが紹介していたマルコム・グラッドウェル『急に売れ始めるにはワケがある』(SB文庫)を<三省堂書店>で買って、お茶の水から水道橋に向かう電車で読み始める。後輩夫婦との待ち合わせの<後楽園ホール>の建物の入口でも読み続ける。

面白いが、誤植が次々と出てくる。こういうところに、やはり版元の地力みたいなものが出るのか。

関東大学リーグ戦を観戦に<後楽園ホール>に入ると、下位チーム同士の対戦の終盤(階級毎に対戦し、5階級を制したほうが勝利)だった。同じ一部リーグでも、上位チームとはかなり実力の差があるようだ。一生懸命やっている選手たちには悪いが、凡庸な戦い。

いよいよ応援するお目当ての大学の試合。さっきまでの試合とあまりにも違うスピード感に驚く。2連勝して、楽勝かと思っていると、2連敗で同点。実力的には互角で、勝ったり負けたりで、3勝4敗になり、後がなくなってしまう。

次は、あまり試合経験がない1年生。緊張している彼に、客席の最前列に座っていたS君が、実際にパンチのポーズをとりながらアドバイスしている。

実は、我々3人は、このS君の大ファンなのだ。今春、卒業した彼だが、去年、初めて大学ボクシングを観戦したときに、彼の華麗なボクシングに一瞬にして虜になったのだった。その後、彼のことを調べ(ブログを読んだり)、その真面目で飾らない人柄にも魅かれ、応援し始めた。

その後、彼は日本代表として、アジア大会に派遣され、日本人選手として、約20年ぶりにメダルを獲得(銅メダル)。日本で最も活躍した選手として、日本ボクシング協会から「最優秀選手」として表彰され、現在、最も北京五輪の近くにいると言われている。

そんなS君のアドバイスが的確だったのか、試合開始のゴングと同時に、1年生が放った左フックがクリーンヒット。相手がマットに沈み、S君も含め、こちらの陣営は興奮の坩堝。

グローブが重く、ヘッドギア着用のため、滅多にダウンがないのだが、壺にはまったというやつだろうか。

最後のミドル級戦で勝敗が決まる。M君も、この階級の日本チャンピオンなので、まず負けることはないと思うが、勝負の世界は何が起こるかわからないので、緊張して試合を見守る。

試合が始まると、圧倒的な強さでレフェリー・ストップ。3勝4敗からの劇的な逆転勝利となった。S君ともども日本代表としてアジア大会にも派遣されたM君。その迫力を再認識した戦いだった。

大満足して、会場を後にしようとすると、通路の前方にS君が立っている。ミーハー根性丸出しで、「頑張って」と声をかけると、「ありがとうございます。頑張ります」と、減量疲れが顔から感じられながらも、爽やかに応えてくれ、ますますファンになる3人だった。

今日の試合を肴に飲んで帰宅。とりあえず、3人の共通点は、プロアマ問わず、不良っぽいボクサーは嫌いというところだろうか。

S君などと曖昧な書き方をしてしまったが、彼の名は須佐勝明。北京五輪目指して、奮闘努力中。4月から社会人の相手に「君」は失礼かとも思ったが、どうしても雰囲気が「君」なのだ。乞うご容赦。

夜久弘『「COMICばく」とつげ義春』(福武書店を読了。筑摩あたりで文庫になっていないのが不思議な本だ。「散歩の日々」をはじめとするこの時期のつげ作品は、全て、この雑誌に載ったものだったのか。そして、著者がいなかったら、この諸作は読めなかっただろうことは容易に想像できる。このまったく売れなかった雑誌の執筆陣の何と魅力的なこと。それにしても、つげ義春の新作は、望んでも叶わぬ夢なのだろうか。