『男と女の子』

foxsya2007-02-21

村上春樹『若い読者のための短編小説案内』(文春文庫)を読み始めた。てっきり、各作品に村上春樹が解説をつけたアンソロジーだと思い込んでいたが、各作品のテクストは含まれていなかった。どうせなら、各テクストを読んでから、「案内」を読みたい。

最初の作品は吉行淳之介の「水の畔り」。全集に収録とあり、他に、「水の畔り」収録の『男と女の子』は集英社電子書籍でも購入可能とある。ということは、以前は集英社文庫に入っていたのだろう。

と思って、本棚を見てみると、『男と女の子』があった。「我が本棚万歳!!」。といっても、自分で確かに買ったものなのだが…憶えは全くない。

仕事帰りに、久しぶりに代田橋の<シャンシャン>に寄る。

お刺身バイキングで、ぶりトロ、鯛の昆布〆、サザエの三点を選ぶ(これで980円!)。ご飯と一緒に美味しい刺身を食べる幸せ。栃尾の油揚げの明太子とねぎはさみ焼きというメニューがあったので、これを頼む。ものすごく美味しい。これは、自分でもチャレンジしたい。栃尾というのは、越後の国らしいが、この油揚げは、東京だと、どこで売っているのだろう。

おすすめメニューをよく見ると、牛すね肉の和風ポトフというのが目に入る。これも頼みたかったが、一人では無理。一人で来るのもいいが、美味しい店には、何人かで来るのも、いろいろな料理が食べられる利点がある(当たり前のことで、わざわざ書くことでもないか)。

創元SF文庫から、堀晃『バビロニア・ウェーブ』が発売される。東京創元社は、ミステリの分野でも、黒川博行樋口有介多島斗志之といった作家の、そう古くないのに、絶版になってしまっている作品を復刊してくれているのだが、今月からSFの名作の復刊も始める。

堀晃は大好きな作家だが、現在、新刊書店では、ほとんど買うことができないので、今回の復刊は嬉しい。単行本で持っているが、文庫も買って、読み直したい。こんな話が書けるのは日本SF界でも唯一無比な作家だと思う(今の日本SFにはうといので、もしかしたら違うのかもしれないが)。当然、候補になっているだろうが、徳間デュアル文庫でぽしゃった『梅田地下オデッセイ』の復刊も期待したい。http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3671

しかし、やはり創元推理文庫から復刊が予定されながら、一年以上延びている戸板康二の『団十郎切腹事件』はどうしたのだろう。

山村修『書評家<狐>読書遺産』(文春新書)を読了。ちくま新書の『<狐>が選んだ入門書』が最後の本だと思い込んでいたので、この本の発売を知って嬉しかった。「文学界」に連載されていたもので、毎回、文庫本を2冊紹介する趣向。色々な本が読みたくなって困るが、あせることはない、じっくりと『入門書』『読書遺産』に紹介された本は、長い時間をかけて読んでいこう。と言いつつ、早速、紹介されていた諸星大二郎の自選短編集を買いに行くのであった。巻末の山村修氏と自身の関係について綴った中野翠の追悼の文章がいい。

書評家“狐”の読書遺産 (文春新書)

書評家“狐”の読書遺産 (文春新書)

※イベントをやります。多くの方の参加をお待ちしています。
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<ふぉっくす舎><食堂 アンチへブリンガン>共催
猿楽町食堂学校 1時限目
4月22日(日)午後3時30分〜5時30分(開場 午後3時)
「日本一の病院マニア」は見た! 体当たり爆笑病院放浪記 『ワガママな病人vsつかえない医者』(文春文庫PLUS)刊行記念
和田靜香バラエティ・トークショー「病気と音楽と相撲のはなし…あと農業も!」 チャージ 1000円+1ドリンク以上オーダー
定員25名
会場 <食堂 アンチヘブリンガン>千代田区猿楽町2-7-11ハマダビルヂング2階(水道橋駅徒歩5分・神保町駅徒歩10分)03-5280-6678
トーク終了後、午後7時30分まで、店内で引き続き飲食できます
参加希望の方はメールでご予約ください。「トークショー参加希望」と件名に記入のうえ、<ふぉっくす舎> negitet@yahoo.co.jp まで。 1.お名前 2.人数 3.お電話番号(念のため) を必ずご記載ください
和田靜香さんプロフィール:千葉県市川市生まれ、静岡県沼津市育ちの音楽評論家。音楽評論家/作詞家の湯川れい子さんのアシスタントを経て独立。ひこぽん〜和田靜香のコラム〜病院ウオッチングと洋楽こぼれ話。→http://homepage3.nifty.com/hypochon/