芥川賞は伊藤たかみか本谷有希子?

本日は夏休み。芥川賞の発表が明日の夜のため、今日中に残りの2作品を読まなければならない。

しかし、一度起きて、朝食をとった後に、また寝てしまう。起きて昼食をとり、中原昌也「点滅」(新潮2月号)を読む。読みながら、うとうとして、また寝てしまう。これじゃあ、ほんとに「食っちゃ寝」だ。

夕方、目が覚めて、「点滅」を読了。面白かったが、小説をなぜ書くのかという独白部分が冗長に感じられた。うとうとしてしまったのもこの辺り。ラストは著者らしくていい。今まで読んだ4作品だと、「生きてるだけで、愛。」>「ナンバーワン・コンストラクション」=「点滅」>島本理生「大きな熊が来る前に、おやすみ。」

藤川が登板する終盤に合わせて、テレビをつけ、阪神−広島戦を観戦。今、藤川のピッチングを見る至福は、阪神ファンだけでなく、全ての野球ファンが感じているのではないだろうか。このピーク状態が何年ぐらい続くかわからないが、後年の語り草になるだろう。

阪神は勝利したものの、ワイルドピッチという思いがけない形で、結局、藤川の無失点記録はとだえた。最近、記録を意識するあまり、萎縮しているようなところも見てとれた。残念だが、また、のびのびしたピッチングを見せてほしい。記録は、また、ゼロからのスタートで積み上げていけばいい。

ベッドで、伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」(文学界6月号)を読む。たちまち、引き込まれ、読み終わる。これは、受賞してもおかしくないのではないだろうか。本谷有希子の「生きてるだけで、愛」と優劣つけがたい(あくまでも私の印象)。候補作全5作を読み終わり、最終的な順位をつけると、「八月の路上に捨てる」=「生きてるだけで、愛。」>「ナンバーワン・コンストラクション」=「点滅」>島本理生「大きな熊が来る前に、おやすみ。」となる。

最終的に予想すると、伊藤たかみ本谷有希子のダブル受賞か、二人のうちのどちらかの受賞と予想する。

同時に発表される直木賞は、三浦しをん森絵都だろうか。伊坂幸太郎は、今までの作品で受賞していてもおかしくないが、候補作の「砂漠」では厳しいのでは。

塩山芳明南陀楼綾繁編)『出版業界最底辺日記 エロ漫画編集者「嫌われ者の記」』(ちくま文庫を読了。元版については、南陀楼綾繁さん編集の日記本のミニコミ(去年の松坂屋の古本市で買った)で読んで知っていたが、こんなに面白かったとは。著者の罵詈雑言が爽快。読書日記として読んでも楽しい。過去15年分の日記の抜粋だが、全部、読んでみたくなる。