恐怖のエスカレーター

仕事を終え、東京駅そばの<オアゾhttp://www.oazo.jp/index2.html に向かう。定年退職されている元上司との飲み会。私の仕事の都合に合わせて、8時に設定してもらったのだが、30分ほど遅れてしまった。三田線大手町駅で降り、<オアゾ>に向かう。

約束の店は6階だったので、エスカレーターで向かう。ここのは、高所恐怖症の私にとって、足がすくむエスカレーターだ。エスカレーターごときに、何をびびっているのという人もいるだろうが、高いのが苦手な人は是非お試しあれ。

エレベーターを使えばいいのにという声も聞こえてきそうだが、いつも、このエスカレーターに乗ってしまうとき、倒錯した人間の心理(?)を再確認する。

店に到着すると、元上司たちは、ほろ酔い状態。「俺たちには時間はあり余ってる」ということで、すでに3次会だそうだ。お店は、料理もお酒も美味しく、いいお店だったが、店員で一人「優しさ」のない対応をする人がいて、少し気分が悪くなる。友人に言わせると、私は「少し、店員に厳しすぎやしないか」ということらしいが。

どんなに美味しい寿司屋でもラーメン屋でも、ぴりぴりした雰囲気の中で食べたくない。そういえば、自分のお気に入りの店は、心が暖かくなる対応をしてくれる店員さんがいる店ばかりのような気がする。友人を、よく行く店に連れて行くと「お店の人、本当にいい人ばかりだね」と言われることが多い。美味しいものさえ出してくれれば、別に店員の態度なんか普通でいい、という人もいるだろうが、私の店選びの基準の中では重要な点だ。

帰宅して、斎藤邦明『川漁師 神々しき奥義』(講談社+α新書)を読了。日本各地の川でさまざまな方法で漁をする漁師たちへの聞き書き。昔、読んだ『釣りキチ三平』の、川でのさまざまなユニークな漁法を紹介する読み切りシリーズを思い出した。魚だけでなく、ザザムシサンショウウオなどの漁の話も興味深い。

どの話にも共通するのは、川をよく知る漁師から見ると、短期間、調査しただけの学者のお墨付きで、信じられないような公共事業が行われ、結果、魚の激減を招いているという事実か。島根の江の川のアユ刺し漁師の方の話。「北海道にも東京にも名古屋にも送ります。最近ではアユの本場といわれてる岐阜にさえ送ってます。そうですか、どうりでこのところ岐阜からの注文が多いなぁ思うとりました。河口堰ですか、あの長良川がねぇ、あかんのですか」

魚が激減・死滅していく日本の川では、川漁師が商売としてなりたたず、彼らの後を継ぐものはいない。これらの漁法も消えていく。