「流れる」とカーリング

録画しておいた成瀬巳喜男監督の「流れる」を見る。小林信彦の『昭和の東京 平成の東京』(ちくま文庫)で、この映画について書かれているのを読んで、見たいと思っていたのだ。

柳橋花柳界が舞台で、昔の隅田川の景色が随所に出てくる。女優陣は、田中絹代山田五十鈴高峰秀子杉村春子岡田茉莉子と豪華。田中と高峰が印象に残ったが、高峰は、著書『わたしの渡世日記 上下』(文春文庫)そのままの気の強い役。加東大介も出ているが、宮口精二がやっぱりいい(「七人の侍」では、この人が一番好き)。そして、仲谷昇の二枚目ぶりにびっくり。若い頃は、こんなに格好いい俳優だったのか。芸者置屋の「没落」を描いているだけに、静かで寂しい映画だった。

夕食は代田橋の<CHUBBY>http://www.chubby.bz/# で<鶏のハーブ焼き>。

帰って、テレビでトリノ五輪カーリング観戦。生島淳氏はじめ何人かのスポーツライターが「面白い」と熱く語っているので興味をもって見る。確かに面白い。日本女子チームはイギリスに快勝! どのぐらいの歴史を持つスポーツか知らないけれど、戦術は初期のものより、時代を得てすごく進歩しているのだろう。「羽生」のような、カーリングの戦術に革命を起こした人物が何人かいるのではないか。そんな想像を勝手にたくましくした。ルールではなく、戦術について、詳細に解説したサイトでもないものか。

岡崎武志『気まぐれ古書店紀行』(工作舎)を読了。後半の半分ぐらいは、『彷書月刊』の連載で読んでいると思うのだが、それでも面白くて一気読み。著者手書きによる書き込みが、岡崎さんの味のあるイラストとあいまって楽しい本になっている。単行本化に当たってのアイデアの勝利だろう。驚いたのは、<グリーンパーク球場>についての記述があったこと。川本三郎さんの『旅先でビール』(潮出版)で初めて知ったようなことを、一週間ぐらい前に書いたが、この連載で既に読んでいたのだろうか。相変わらずあてにならないわが脳みそである。

※2月25日(土)・26日(日)の正午〜午後6時まで開催される「コクテイル書房の一箱古本市」に参加します。お時間のある方は、是非おいでください。なお、両日は、午後2時から<『早稲田古本屋日録』出版記念・向井透史さん http://d.hatena.ne.jp/sedoro/トークショー>(25日)とオヨヨ書林さんと南陀楼綾繁さん http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/ の古本DJ<第二回オヨちゃんとモクローくんの「古本ジェットストリーム」>(26日)という魅力的なイベントも開催されます。