素白

昨夜は、10時半頃に仕事を終え、職場のエレベーターを降りながら、夕食をどうしようかと考えていると、友人から携帯にメールが。

大学時代にゼミとサークルが一緒だったTからだ(おまけに偶然にも住んでいる町も一緒だった)。電話をすると、水道橋の<アンチヘブリンガン>で飲んでいるとのこと。

駆けつけると、Tは部下の女性と一緒だった。Tは児童書の版元の営業で全国を飛び廻っている。

からすみのパスタを食べ、ワインを飲みながら、本や映画の話などをしていると、Tの部下の女性Tさんが「私のひいお爺さんが書いた本が、最近、重版になったんです」という。

「ひいお爺さんはなんて名前ですか?」と聞くと、「絶対に知らない名前ですからいいですよ」と言うのを、「気になるから教えて」と無理矢理聞き出す(しつこい?)。

「いわもとそはくっていうんですけど…」と彼女。

「いわもとそはく…えっ、岩本素白! 『東海道品川宿』の素白ですよね。重版になったっていうのは、ウェッジ文庫ですか」と言うと、「なんで知ってるんですか。お爺様のこと知ってるなんて嬉しいです」と喜んでくれる。

「まだ読んでないけど、買いましたよ。<書泉グランデ>で売り切れで<三省堂>で買ったんです」と伝えると、更に喜んでくれる。

素白と志賀直哉野尻抱影のことなど、いろいろ話を聞く。こんなことなら早く読んでおけば、ちゃんと感想などを伝えられたのだが。

帰宅後、ベッド脇のブックタワーにあった岩本素白東海道品川宿』(ウェッジ文庫)を取り出し、ベッドの中で読み始める。

東海道品川宿―岩本素白随筆集 (ウェッジ文庫)

東海道品川宿―岩本素白随筆集 (ウェッジ文庫)

今夜は9時過ぎに仕事が終わったので、隣の課の後輩と巣鴨に行く。

先日、職場の隣の文房具店の店主に美味しいと教えてもらった焼き鳥の店。2週間前ぐらいに一人で来たのだが、あまりの美味しさに食いしん坊の後輩に紹介したくなったのだ。

地蔵通り中ほど、郵便局を右に入った<もんや>http://www.mon-ya.net/index.html という徳島の地鶏を使った店。日本酒、焼酎も豊富に揃っている。

ぼんじりやせせりのあぶり焼きも美味しかったが、驚くほど美味しいのはレバー。レアに焼いたものも、刺身も美味しかった。サービスで出してくれた砂肝の刺身(!)も初めての食感。

食いしん坊の後輩も大満足してくれた。雑誌で紹介されるような有名焼き鳥店は、「美味しいが、値段が…」というところも多いが、ここはコストパフォーマンスにも優れていた。

カウンターの目の前で鶏ガラから静かにスープを煮出していた。この8時間煮出すというスープは、親子丼や稲庭うどんのだしに使うという。

今日は、腹いっぱいだったので断念したが、次回は親子丼で締めようと後輩と誓い合う。

店の人も気さくで、飾らない人柄で、ゆったりとした気持で飲み食いできる。カウンター9席のみのこじんまりとした店だが、いい店を紹介してもらった。

黒岩比佐子『編集者 国木田独歩の時代』(角川選書を読了。黒岩さんの作品のほとんどはどこかでつながっている。一冊の本を書く過程で調べた事柄に関連した何かが更に知りたくなる。そんな好奇心が次の作品の執筆のスタートラインだろうか。伝書鳩村井弦斎日露戦争関連の本を書く過程で掴んだ事柄が、編集者という新たな独歩像を見せてくれる、この傑作ノンフィクションを生み出したのでは。緻密な調査によって、次々と知られていなかった独歩とその周囲の文人像を描き出した労作。半分ぐらいはじっくりと読んでいたが、「画報」の経営に翳りが出てきたあたりから滅法面白くなり一気読み。独歩の部下だった女写真家の探索のくだりなどは、調査のお手本として読めるし、サスペンスフルな味さえあった。病気になった独歩の周囲の文人たちの人間くささも興味深い。それにしても、これだけのことを調べ上げ、それを整理して構成するのに、どれだけの苦労があったことか。また、ブログhttp://blog.livedoor.jp/hisako9618/ でお馴染みの黒岩さんの地道な古書蒐集が生み出した一冊とも言える。次は『食育のススメ』。

編集者国木田独歩の時代 (角川選書)

編集者国木田独歩の時代 (角川選書)

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◎2008年3月1日(土)、2日(日)

第7回 古書往来座外市

詳細情報はこちら >>http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20080126

◎2008年4月5日(土)

第1回 月の湯古本まつり

詳細情報はこちら http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20080216

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『山のぼりおり』発売記念  石田千トークイベント三連発

エッセイスト・石田千さんが「のぼりおり」した十の山。『山と渓谷』での連載を一冊にまとめた『山のぼりおり』の発売を記念して、トークイベントを開催します。石田千さんをよく知る御三方が、「いったいなぜ山のぼり?」という素朴な疑問をぶつけたり、「山といえばね…」と思いもかけぬ話をはじめたり、山をテーマにゆるゆるとおはなしする会です。ちなみに、山のぼりに関してはみなさん初心者ですので、山の知識や経験は必要ありません。お休みの日の開催です。散歩がてら、お気軽にご参加ください。

石田千×荻原魚雷フリーライター)●会場 高円寺・古本酒場コクテイル http://koenji-cocktail.com/●日時 3月20日 (木・祝)16時30分開場 17時開演 19時終演●定員 20名(先着順)● 料金 入場無料ですが、飲食代は別途かかります。ワンドリンク以上のオーダーをお願いします。●申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛先はこちらcocktailbook@hotmail.co.jpお名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 ※文士料理(文士たちが創作した料理、好んで食べた料理)が楽しめるお店です。

石田千×畠中理恵子(元書肆アクセス店長)●会場 水道橋・アンチヘブリンガン 千代田区猿楽町2-7-11ハマダビルヂング2F● 日時 3月22日(土)13時30分開場 14時開演 16時終演● 定員 20名(先着順)● 料金 1000円(ワンドリンク付) ● 申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛先はこちらantiheblingan@tcn-catv.ne.jpお名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 ※よろしければ、18時からのトークイベントもあわせてお楽しみください。

石田千×田村治芳彷書月刊編集長)●会場 神保町・ヒナタ屋 www4.plala.or.jp/HINATA-YA/● 日時 3月22日(土)17時30分開場 18時開演 20時終演● 定員 20名(先着順)● 料金 1000円(ワンドリンク付)● 申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛先はこちらhinata.ya@ivory.plala.or.jp(ヒナタとヤのあいだに.がはいります) お名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 ※ チキンカレーのおいしいお店です。食べ物のオーダーも承ります。

● 注意書き※ 各回ごとに申し込み先が異なりますのでご注意ください。