<コクテイル>でのトークライブ2つ

foxsya2009-11-22

ここのところ、続けて<古本酒場 コクテイルhttp://koenji-cocktail.com/ でのトークライブに行った。まずは、19日の画家の林哲夫さんhttp://sumus.exblog.jp/ 。話を引き出すのは、林さんと同じ「スムース」同人の岡崎さんhttp://d.hatena.ne.jp/okatake/

絵はもちろん、林さんの書く文章も好きだが、今回のトークで、林さんについて、随分、知らないことがあったと再認識(当たり前か)。ムサビ入学時に、将来、画家になりたい人といった教師からの質問に、挙手したのは林さん一人だったという。そして、本当に画家になり、今にいたるわけだが、画家として食べていくためのポイントは「ファンを作る」ことだという。

最初の個展の売り上げを持って、パリに行き、一年間暮らし、お金を使い果たしても、また絵を描けば、買ってくれるファンがいたから、日本に帰ってこられたという。

林さんにお会いするのも、話を聴くのも初めてだったが、確実に言えるのは、今日のライブで、また、林さんの「ファン」が増えただろうということ。そういえば、今、ちびちびと読み進めている大西巨人の『神聖喜劇』(光文社文庫)の表紙も林さんの絵だ。

そして、22日は、南陀楼さんhttp://d.hatena.ne.jp/kawasusu/ の『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)刊行記念トークの第1弾で、<オヨヨ書林http://oyoyoshorin.shop-pro.jp/ 山崎さんさんとのお馴染み「古本ジェットストリーム」(つい、「アタック」と続けそうになる)。

約1年前に、根津から青山に電撃的に移転した「オヨヨ書林」が、今度は金沢に移転することになった。そのあたりの事情と、金沢での展開を、南陀楼さんが山崎さんに訊く。

青山に移転したことにより、根津時代より、たくさんの本が売れ(高い本も)、また、いい本もたくさん入ってくるようになったが、家賃の高さからどうしても、自転車操業的にならざるをえず、また、大家や管理会社とのトラブルも多く、移転を決意したという。しかし、山崎さんの楽観的な発言の数々、聴衆から笑いがこぼれるが、本当に「地」なのだろうか。もし、そうなら、商売をやる意味で「強み」になっている面もあることは確かだろう。真似しようと思っても真似できるものではない。

道に出した看板を片付けるよう、管理会社から勧告されたという件も、誰もが、「なぜ、店を借りる際に条件を確認しないんだ」と思っただろう。当然、南陀楼さんも、そこを訊くが、返ってきた山崎さんの答えが、「だって、確認して駄目だって言われたら、看板は出せないわけじゃないですか、確認しないで、知らんぷりして出せば、とりあえずは出せるわけだし」というもの。自分には、とてもこういう考え方はできない。恐るべし、<オヨヨ書林>。

金沢は、関東だけでなく、関西ともつながっている(近い)点に可能性を感じ、2年間は行政と地元商店街から家賃補助もあることから決めたという。次は、仙台に興味を持っているとも(もう次か)。金沢は年に一度(夏)は仕事で訪れる地でもある、<オヨヨ書林>が移転することによって、金沢出張の楽しみが増えた。成功を祈りたい。

今回のトークは、南陀楼さんが『一箱古本市の歩きかた』で紹介した各地のブックイベントに積極的に関わられ、現在は関東の店舗に異動された<リブロ>の3人の書店員の方がゲストだった。話を聞くと、店員が発案したイベントについての自由度が大手新刊書店の中では<リブロ>は自由度が高いような気がした。もちろん、組織内でははかり知れない苦労も多いと思うが、特に新刊書店内で古本を売ることにセンシティブな書店は多い(当たり前だが)。また、地方よりも、大きな都心部の店ではいろいろな制約がありそう(ただ、地方は旅費や宿泊費などもかかるため人を呼びにくい面はある)。

ただ、地方で大きなイベントをされていた方が、池袋に異動になり、いろいろ模索中とのこと。「わめぞも近いし、今まで池袋でやっていないようなこともやってみたい」と、トーク終了後に言っていたので、期待。

トークには、来年1月に雑司ヶ谷にお店を開かれる<ひぐらし文庫>さん http://higurasibooks.blog.so-net.ne.jp/ もいらしていた。<リブロ>の方々と、楽しげに話されていた。新刊書店に勤務していたと聞いていたが、<リブロ>だったのかもしれない。お店の進行状況を訊くと、「シンクの取り付けでトラブル発生」とのこと。お店は、お茶も提供する店ということで、水周りは大切。

一箱古本市の歩きかた』は、面白く一気に読んだ。自分も登場させていただいているが、知っている人、知っているイベント多数ということで、かなり客観性なき読書だ(自分としては面白く読めたのだからそれでいいのだが)。紹介されたブックイベントに参加したことのない人、このようなイベントが行われているのを全く知らない人、そういった本好きがどのような感想を持つか知りたい。

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた (光文社新書)

一箱古本市の歩きかた』トークイベント

12月6日(日)14時30分〜(14時開場)「不忍VSわめぞ 仁義なき戦い・名古屋死闘編」南陀楼綾繁(ライター・編集者、「不忍ブックストリート」発起人)×向井透史古書現世店主、「わめぞ」代表)会場:カフェパルル(052-262-3629)入場料 :500円 (ドリンク代別途) 定員30名

一箱古本市の歩き方』の刊行を記念し、著者の南陀楼綾繁氏と、早稲田の古本屋・古書現世の店主であり、早稲田・目白・雑司が谷にてブックイベントを開催するグループ「わめぞ」の代表を務める向井透史氏をゲストに迎え、東京・谷根千不忍ブックストリートをきっかけに今や全国へとひろがった各地の「一箱古本市」や「ブックイベント」の様子、本との新しい付き合い方を深く楽しくお話し頂きます。

ご予約は、リブロ名古屋店 TEL : 052(264)8526 mail : pbc-nagoya@libro.co.jp 住所 : 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄3-29-1 名古屋パルコ東館4F

12月11日(金) 開場18:30/開演19:00「本を売るだけが古本屋の仕事じゃない!?」広瀬洋一(古書音羽館)×瀬戸雄史(古書往来座)×南陀楼綾繁 会場:古書ほうろう 〒113-0022 東京都文京区千駄木3ー25ー5 http://www.yanesen.net/horo/

さまざまな人たちのトークを行なう「西荻ブックマーク」。タイプの違う古本イベントを主催する「わめぞ」。古本イベントに関わるふたりと、これからの古本屋について語ります。入場料 1000円(飲み物持込み可)

※ご予約は電話かメールで。古書ほうろう 03-3824-3388 horo@yanesen.net (トークタイトル、お名前、人数、当日ご連絡できる電話番号をお書き添えください)

12月17日(木)開場18:30/開演19:00「なぜか、原稿料の話」栗原裕一郎(ライター)×内澤旬子(イラストルポライター)×南陀楼綾繁会場:古書ほうろう 〒113-0022 東京都文京区千駄木3ー25ー5 http://www.yanesen.net/horo/

原稿料はなぜ何十年も上がらないのか? 原稿料の歴史から、この摩訶不思議なシステムの謎に迫る。出版危機、雑誌休刊ラッシュの今後、原稿料とわれわれのゆくえは? いつの間にか因果な生き方を選んでしまったフリーの物書きの現状を赤裸々に語ります。担当編集者は入場禁止!? 入場料 1000円(飲み物持込み可)

※ご予約は電話かメールで。古書ほうろう 03-3824-3388 horo@yanesen.net (トークタイトル、お名前、人数、当日ご連絡できる電話番号をお書き添えください)

12月23日(水・祝)18:30 open/19:00 start「読書からはじまること」南陀楼綾繁(ライター、編集者)×内沼晋太郎(ブック・コーディネーター)×橋本倫史(『HB』編集発行人)会場:ジュンク堂書店新宿店 8階喫茶

不忍ブックストリート、わめぞ、ブックオカ、BOOKMARK NAGOYA、お好み本ひろしま、Book! Book! Sendai、高遠ブックフェスティバル……。いま、全国各地でブックイベントの動きが盛んになっています。その現状をレポートした『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)の刊行を記念して、著者で一箱古本市の仕掛け人でもある南陀楼綾繁さんが、本や雑誌についての新しい試みをしている20代のお二人と、読書の可能性と未来を語り合います。料金:¥1000(1ドリンク付)

予約受付:7Fカウンターor電話予約 ジュンク堂書店新宿店 TEL.03-5363-1300

12月27日(日)開場14:30/開演15:00「ブックイベントのたのしみ」南陀楼綾繁(ライター・編集者)×石川あき子(Calo Bookshop & Cafe)×郷田貴子・真治彩・次田史季(貸本喫茶ちょうちょぼっこ今回のトークショーは、開催中の「第6回 海文堂の古本市」(12月23日〜1月11日。1月1日・2日を除く)会場でおこないます。古本好きにはたまらない、大量の古本に囲まれてのイベントになります。参加費 500円

誰でも一日だけの「本屋さん」になることができる一箱古本市や、日本各地のブックイベントの現状をレポートした『一箱古本市の歩きかた』が光文社新書から11月17日に刊行されます。それを記念して、著者で一箱古本市の仕掛け人でもある南陀楼綾繁さんが、ブックカフェをベースにさまざまなイベントを行なってきた、大阪の「カロ」と「ちょうちょぼっこ」の皆さんとともに、ブックイベントの進めかたや面白さについて具体的にお話しします。「本のイベントやお店をはじめたい」というヒトは必見かも!?

ご予約方法  電話、FAX、メールで海文堂書店までお願いいたします。50名を超えた場合、立ち見になる可能性があります。あらかじめご了承ください。海文堂書店 〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通3丁目5番10号 電話:078-331-6501 FAX:078-331-1664 http://www.kaibundo.co.jp/ books@kaibundo.co.jp