「夜の学校」とその後の課外授業

foxsya2008-06-26

組合主催の「古本・夜の学校 小さなトークライブ」http://www.kosho.ne.jp/event/yagaku/ を聞きに古書会館まで。午後6時からということで、最後はダッシュ。部署が変わって、早く帰れるようになったといっても、この時間に着けるのはほとんど奇跡。サラリーマンは無理じゃないだろうか。

走っているうちに、お腹が痛くなり、ごろごろ鳴り出したので、トイレに駆け込むも、先に入っている人が…!受付にいた高遠の「本の町」プロジェクトhttp://hon-no-machi.com/ の李さんに他のトイレの場所を訊き、小走りで向かう。かっこ悪い。

ワンフロア上がって、トイレに入ろうとすると、遠目に、待機している北尾トロさんhttp://www.vinet.or.jp/~toro/ と<文雅新泉堂>http://bunga-shinsendo.com/ の野崎正幸さんの姿が。北尾さんと目が合ったので、会釈して、そのままトイレに。

今夜は『「本の家」から「本の町」へ』のテーマで、高遠の「本の町」プロジェクトのお二人のトーク

「本の町」プロジェクトのきっかけとなった北尾さんのヘイ・オン・ワイ探訪の写真や高遠の<本の家>の写真を見ながら、なぜ、このような店を作ろうと思ったか、実現までの苦労と楽しさ、現在の状況、そして、これからの展望を聞く。

北尾さんの話の中で、「今日、来てくれた人の中にも初日に来てくれた人もいるんですよ。彼は、古本を見た後、町を散策し、温泉に入り、蕎麦を食べ、カラオケも唄ったんじゃないかな」と私に言及。ほぼ正しい。「ほぼ」なのは、カラオケは温泉の休憩室にあったらしいが、もちろん、歌は唄っていないから。

私は日帰りだったが、これはかなりせわしない。北尾さんも言っていたが、宿泊施設もいくつかあるので、一泊して、ゆったりと町を味わうのがいいだろう。

<本の家>には、住居スペースになり得る部屋が二つあり、野崎さんと元<ハートランド>の斉木さんが住み込んでいた。周囲も「男2人で住み込むのは難しい」と進言していたが、やはり、野崎さんが早々に音をあげて(?)、帰ってきてしまったらしい。不退転(?)の決意で、倉庫の契約を解約し、<文雅新泉堂>の本を全て高遠に運び込んでいたが、これも持って帰るという。大変な作業だが、人間くさいエピソードで、微笑ましい(失礼!)。

トーク後は、いらしていた<古本 海ねこ>さんhttp://www.umi-neko.com/ 、<西秋書店>http://www1.ocn.ne.jp/~nishiaki/index.htm の学さん、<旅猫雑貨店>http://www.tabineko.jp/shop_info.html のか猫さんと飲みに行く(か猫さんはソフトドリンク)。<海ねこ>さんが行ったことがないというので、錦華通りを歩いて、猿楽町の<食堂 アンチヘブリンガン>に案内する。

料理も気に入ってもらえたようだし、「ワインも美味しい」とワイン好き? の<海ねこ>さんに言ってもらえて、引っ張ってきた人間として一安心。古本の話や、<旅猫雑貨店>で扱っている西秋さんのお母さん手作りの布ぞうりの話など。この布ぞうり、誰に聞いても評判がいい。熱い夏の部屋ばきにすると気持ち良さそう。早速、<旅猫>さんに一足キープしてもらう。

<海ねこ>さんに、北尾トロさんとどこで知り合ったのか訊かれたので、2年前に北尾さんが期間限定で営業したブックカフェで料理をしていたことを言うと、「えっ、それ、私食べたよ。パスタとか冷麺! あれってNEGIさん作ってたの?!」とのこと。はい、私が作っていました。北尾さんには、「週刊文春」の連載で、私のラブホ泊まりについても書いていただいた(異動したので、ラブホ泊まりはなくなりそう)。

新しいお客さんが来たら、<古書 ほうろう>http://www.yanesen.net/horo/ の宮地さん夫妻だった。<JCBホール>で行われた、エミール・クストリッツァがギタリストを務めるバンドhttp://www.emirkusturica-nosmoking.com/ のライブに行ってきた帰りだという。映画監督以外にミュージシャンもやっていたとは知らなかった。

他にお客さんがほとんどいなくなったので、大テーブルに移り、店主のO夫妻も一緒に飲む。極端に古本濃度が濃い店内。ワインをがばがば開け、夜は更けていくのだった(明朝は二日酔いの予感!)。

岡崎武志+山本善行『古本屋めぐりが楽しくなる 新・文學入門』(工作舎を読了。ボリュームたっぷりだが、読みだしたら止まらない。二人の掛け合いに身をゆだね、古本と文学の大海原に運んでもらおう。「buku」http://www.c-buku.net/ の北條さんが、この本の感想を「知恵熱が出そう。煙が出そう」と言っていたが、読んでいる最中、その「熱にうなされているのも心地よい。それにしても、高校の同級生が、ずっと古本と文学の話をしてきて、こんな素敵な一冊の本になってしまう。一種の奇跡だろう(オーバーですか?)。未読の魅力的な本がたくさん紹介されている。これらの本に二人のように、あくまでもさりげなく古本屋の店頭で出会いたいものだ。石丸澄子さんの装丁も相変わらず楽しくて素晴らしい(カバー画を使った特製Tシャツ販売しないものだろうか)。そして、何といっても縁の下の編集者のものすごい情熱が産み出した一冊と言えるだろう。編集者に、ここまでやりたいと思わせるのはお二人の著者の魅力なのだろうが、ここまで情熱的に仕事をしてくれる編集者と出会える著者も幸せだと思う(生意気失礼!)

古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門

古本屋めぐりが楽しくなる―新・文學入門

 なんと、AMAZONの書影、石丸澄子さんのシルクスクリーンは帯扱いで消えてしまうのですね。もったいない。