モンティ・ホール問題と句会

foxsya2008-06-22

休日。朝、起きて、バルコニーの緑のカーテン計画http://www.midorinoka-ten.com/ のゴーヤたちに水をやる。黄色い花をいくつか咲かせている。

部屋の片づけなど、いろいろやることはあるのに、結局、録画した海外ドラマなどを見て、うだうだしてしまう。この日、見たのは天才数学者がFBI勤務の兄を助ける「NUMB3RS」http://www.foxcrime.jp/bangumi/numbers/index.shtml ファーストシーズンの最終話。このドラマを基に、数学を用いて犯罪を解決する手法について書いた本を何日か前に紹介した。

ドラマの中で主人公が市民大学講座のようなところで、「初歩の数学」を教える場面が出てくる。

主人公が大きなカード3枚を取り出し、受講者に見えないように伏せる。1枚には新車のスポーツカーが描かれている(これが当たり)。残りの2枚にはヤギが描かれている(これらがはずれ)。主人公には、どのカードが当たりかはずれかはわかっている。

ここで、受講生に当たりと思われるカードを選ばせる。そこで訊く。「当たりの確率は?」と。当然、受講生は「1/3です」と答える。次に主人公は、受講生が選んだカード以外のはずれのカードを1枚だけ表にする。ここで、主人公は「今から選んだカードを変えてもいいですよ。どうしますか?」と受講生に迫る。「変えません」と受講生。

「変えないで、あなたが当たりをひく確率はどのくらいだと思いますか?」と主人公に訊かれた受講生は、(3枚のうち1枚のはずれはもう表にされているのだから)「残り2枚のうち1枚が当たりなのだから1/2でしょう」と答える。「他に1/2だと思う人」と訊かれ、一斉に手をあげる他の受講生たち(私も心の中でうなずく)。

そこで主人公は思いもよらないことを言う。「最初に選んだカードを変えないで当たりになる確率は1/3、カードを変えれば2/3。確率論的には、カードを変えないといけない」と。主人公が、受講生が選んだカードを表にするとヤギの絵。「もし、変えていたら」と、もう1枚のカードを表にするとスポーツカーの絵。呆気にとられる受講生たち。私の頭の中も「???????」。

調べてみると、「モンティ・ホール問題」という確率の有名な問題らしい。http://www.io.nara-su.ac.jp/nakao/math/montyhall/ 確かに、やってみると、選んだカードを変えたほうが当たるし、解説を読むと、一応は納得できるのだが、どうもピンと来ない。こういうものが直観的に理解できるのが「数学脳」の持ち主なのだろうか。

ビデオを見終わって、句会の会場に向かう。少し遅刻。

二句を提出。固有名詞を使うという課題に対して、ジャズミュージシャンの名前を使いたいと思い、作ったのが次の句。

跣足(はだし)にて月の砂漠吹くリー・モーガン

はだしが難しい字だが、どの「歳時記」を見ても、この漢字表記なので、それに従ってみた。

転記した句が皆に回覧されているときに、Iさん(あの『うめ版』http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/ume_sin.html を編集した方)が、師範役のOさんに「この句、すごい字余りですね」と話していたので、Iさんの手もとを見ると、自分の出したもう一句。失敗した。

実は、家を出るときには下のような句だった。

ヌード載る古新聞で枇杷びわ)くるむ

それが、会場に向かう電車の中で、歳時記をめくって、枇杷よりも洒落た季語がないかと探していると、「走り藷(いも)」という季語が目に入り、使うことにした。そのときに、

ヌード載る新聞で包む走り藷(いも)

というように字数を調整すればよかったが、あわてて、

ヌード載る古新聞で包む走り藷(いも)

としてしまった。確かに思いきり字余り、一体、何字余っているんだ。最初の枇杷のままでよかったかもしれない。

そんななか、字余りでもなかなかいいと選んでくれた人がいたのは有難かった。今回、一番、票を集めたのは、その彼女の句。紹介したいが、許可を得ていないので、やめておく。次回から一番句は作った方に許可を得て載せたい。

句会の後は、サッカーの日本代表戦をテレビ観戦しながら飲み。相変わらずの決定力不足のようだ。幸運なゴールで勝った模様。

小林信彦『映画×東京とっておき雑学ノート 本音を申せば』文藝春秋)を読了。このタイトルはないだろうと思うが、著者というよりは、「何とか売りたい!」という編集者の発案だろうか。伊集院光について、何回か出てくる。「伊集院光は悩んでいるのではないか」といったようなこと。確かに悩んでいたのかもしれないが、伊集院自身が、「文春」を読んで 「自分は悩んでいいんだ」と思い、悩みを更に深めていったなどということはないだろうか。それが、「日曜日の秘密基地」の降板につながったというのは妄想が過ぎるだろうか。そんな妄想を抱くぐらい、あの番組がなくなったのはショックだったのだ。引き継いだ爆笑問題では、やはり、満たされないし…ね、退屈君。[rakuten:book:12843032:detail]