<東京堂>VS<三省堂>?

foxsya2008-06-21

昨日は土曜だというのに午後から会議。これがなければ<東京堂書店>の「嵐山光三郎+石田千の師弟対談V3」に行きたかったのだが…。<書肆紅屋>さんhttp://d.hatena.ne.jp/beniya/ が、このトークに行くとブログに書いていたので、<紅屋>さんならではの詳細なレポートに期待(すみません)。

会議を終えてから神保町へ。<三省堂書店>4階の「新・文学入門」フェアを見に行く。京都のジュンク堂ほどのスペースはないが、位置といい、品揃えといい、ディスプレイといい、なかなかのフェアだ。石丸澄子さんのシルクスクリーンの招布が棚から剥がれて落ちていたので、拾って貼り直したり、岡崎さんと山本さんが出品している古本が納められている箱に挿してあるお二人の等身大(?)ポートレートが傾いているのを直したりと余計なことをしてしまう。というのも、このフェアをやっているのがOさんなので、応援。

ちょうどOさんがいたので、フェアの感想など。4階では、<編集工房ノア>の本を置き始めたとのこと。<東京堂>3階でも少し前から置いているし、すわ、女の戦い勃発か!というと、お二人は仲がいいので、そんなことはまったくない。いろいろな店で<編集工房ノア>の本が買えるのは、客の立場からすれば大歓迎。地方出版やミニコミの品揃えも含めて、<東京堂>3階と<三省堂>4階が競い合う(?)のは客としてはありがたい。

岡崎さん+山本さんの古本箱から、ぼくらはカルチャー探偵団編『短篇小説の快楽』(角川文庫)、太田克彦『エンドレスブックストリート』(創林社)を買う。『新・文学入門』で取り上げられている本の中から、安藤鶴夫『歳月−安藤鶴夫随筆集』(講談社文芸文庫)を買う。

奥の俳句のコーナーで辻桃子『実用俳句歳時記』(成美堂出版)と塚本邦雄『百句燦燦 現代俳諧頌』(講談社文芸文庫)を買う。明日の句会の参考用。また、付け焼刃になってしまったが、今夜、帰ってから何とか俳句をひねり出さなければ。2階に降りて、『榎本武揚シベリア日記』、堀井憲一郎『落語の国からのぞいてみれば』(講談社現代新書)、十川信介『近代日本文学案内』(岩波文庫別冊)を買って、<三省堂>を出る。<書泉グランデ>を覗くと、入り口のところに「ミーツ・リージョナル」別冊の「てみやげを買いに」が平積みになっていたので、立ち読みをしてから買う。神保町に<ヒナタ屋>http://www4.plala.or.jp/HINATA-YA/雑司が谷付近に<旅猫雑貨店>http://www.tabineko.jp/shop_info.html 、<古書 往来座http://ouraiza.exblog.jp/ 、<古書現世http://d.hatena.ne.jp/sedoro/ といったわめぞ連が総登場。木村衣有子さんhttp://mitake75.petit.cc/ のてみやげ紹介のエッセイが3本。

実は、この後、ある人を誘って飲むことになっていた。ところが、電話をして、待ち合わせ場所を決めようと話していると、どうも話が通じない。実は、メールで、しかも人を介して決めたことなので、誤解して伝わったよう。相手のOさんは、これjからあるイベントの打ち上げに参加するのだが、それに私が合流するというふうになっていたらしい。遠慮しいしい会場の神田明神下に向かう。

神田明神の向こう側(神保町から見て)は土地勘がないので、大いに迷う。ちょっとしたラブホテル街に入り込んでしまう(ここは湯島エリア?)。何とか会場の飲み屋に到着。緊張しつつ扉を開ける。テーブルは、若者席とそうでない席に分かれていた。まっすぐに若者席に。

美味しいお酒を飲みながら、本や自転車の話など。自転車の話が盛り上がるたびに、家の裏に置きっぱなしになっているBD-1のことを思い出し、心が痛む。梅雨が明けたら乗り始めようか。

10時過ぎにお開きになるが、Oさん(三省堂とは違うOさん)を巣鴨の焼き鳥屋に誘う。郵便局とNTTとの間ぐらいにある店。とても美味しい店で前からOさんを連れていきたいと思っていたのだ。最初はビールで、2杯目からは日本酒。この店は日本酒の品揃えに力を入れていて、ランチョンペーパー(?)にお奨めを書いてくれているので、オーダーしやすい。そもそも、職場の前の文房具屋さんが、このランチョンペーパーの印刷をしていて、「美味しい焼き鳥の店がありますよ」と教えてくれたのだ。

つまみは、せせり(うなじのあたり)焼き、砂肝の刺身、レバ焼きをもらう。美味。先ほどの店で、かなり食べているので、今夜はこれ以上は無理だが、近いうちにまた来よう。

カウンター席しかない店だが、隣で女性が一人で飲んでいた。酔いの深さもあって、さりげなく(?)話しかける。近くの図書館のそばに住んでいるということで、そこから本の話。本をよく読むというので、どんな本を読むか訊いてみる。若い子だったので、ケータイ小説でも出てくるのかと、偏見に満ちて予想していると、出てきた答えが「開高健が好きなんです!」だった。見た目も、真木よう子姉さん!って感じで素敵。オヤジ二人にとって、愉しい夜は更けていくのだった。

佐々木譲警察庁から来た男』(ハルキ文庫)を読了。最近では警察小説の書き手として、真っ先に名前があがる佐々木譲だが、振り返ってみれば、この北海道警シリーズの前作が初めての警察ものということで、実はキャリアは長くない。『警官の血』のヒットにより、品切れの過去の作品が次々と再文庫化されているのは嬉しい(『ストックホルムからの密使』でさえ品切れ中)。シリーズ前作の『わらう警官(うたう警官を改題)』は森田芳光による映画が製作中。『警官の血』は鶴橋康夫演出によりテレビドラマ化。北海道大に潜入する二代目警官は吉岡秀隆が演じるという。こういった映像がきっかけでもいい、佐々木譲を読む人が増えてくれるといいのだが。