鬼子母神打ち上げ、赤福持って参上!

京都・国際会館での仕事が午後1時過ぎに終了。部下たちと、ここで別れて、最寄の叡山線の駅までタクシーで行って、<恵文社 一乗寺店>だけでも寄ろうかという考えも一瞬、頭をよぎったのだが、結局、皆で京都まで出て、昼食をとって解散ということにする。<ガケ書房>をはじめとする魅力的な書店には、仕事に邪魔されないときにゆっくりと来たい。

京都で食事を済ませ、皆と別れ、土産を買いに駅ビルへ。黒七味、京野菜の漬物など。新幹線の発車の時間が近づいているので、「ガメラ3 イリス覚醒」でお馴染みの吹き抜け空間を通って、ホームへ急ぐ。ホームでビールとつまみ(干し肉)を買う。名古屋に行ったときに買えなかった赤福を売っていたので、話のタネに買ってみる。

新幹線では小谷野敦『聖母のいない国』(河出文庫)を読みながら、ビールをちびちび。ときどきうつらうつら。それを繰り返しているうちに東京着。池袋に向かう。

わめぞhttp://d.hatena.ne.jp/wamezo/ イベントの副都心線開通記念「鬼子母神古本まつり」の打ち上げに合流。今回、京都出張のため、準備も撤収も協力できず、図々しいかなと思いつつも、お馴染みの<世界の山ちゃん>へ。

鬼子母神は始めから終りまで、すごい人の波だったとのこと。普段、古本を買い慣れていない人が多かったらしく、「値段はどこに書いてあるのか」を随分聞かれたらしい。京都出発の朝10分ぐらいしか準備する時間がなく、既にスリップがついている(つまり、今までの「外市」の売れ残り)ものを小さめの箱に詰めただけという手抜き(?)の品揃えだったのだが、客層に幅が出たせいか、予想以上に売れた。といっても、今回、売上発表した武藤さんには「もっと頑張れよ!」と発破をかけられた。売れた本は以下の24冊。全て200円〜300円。

古山高麗雄『片乞い紀行』(中公文庫)
『ちくま日本文学選集 金子光晴』(ちくま文庫
唐十郎下谷万年町物語』(中公文庫)
倉本四郎『出現する書物−ポストブックレビュー』(冬樹社)
池田弥三郎『日本の幽霊』(中公文庫BIBLO
アーサー・C・クラーク幼年期の終わり』(光文社古典新訳文庫
菊地敬一『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』(新風舎文庫)
宮内勝典『LOOK AT ME おれを見てくれ』(新潮社)
和田誠『きなきな族からの脱出』(角川文庫)
小林信彦『パパは神様じゃない』(角川文庫)
倉橋由美子『夢の通い路』(新潮文庫
平野威馬雄『レミは生きている』(ちくま文庫
山口瞳『江分利満氏大いに怒る』(集英社文庫
駒田信二『中国猟奇小説集』(旺文社文庫
大岡昇平来宮心中』(集英社文庫
大岡昇平『夜の触手』(集英社文庫
戸板康二『あの人この人』(文春文庫)
宮脇俊三『時刻表おくのほそ道』(文春文庫)
牛山隆信『秘境駅へ行こう!』(小学館文庫)
小泉喜美子『弁護側の証人』(集英社文庫
野坂昭如とむらい師たち』(講談社文庫)
牛島秀彦『ノンフィクション 天皇明仁』(河出文庫
永井龍雄『回想の芥川・直木賞』(文春文庫)
冥王まさ子『天馬空を行く』(河出書房新社

お土産に<赤福>があることを発表すると、皆、喜ぶこと。すごい人気だ。実は実物を見るのは初めてで、勝手にピンク色した大福を想像していたのだが、全く違うものだった。なるほど、へらで取るのか、餡子が好きな人は多めに取ることができるのか。甘いものは苦手なので、自分では食べなかったが、これからも機会があったらお土産に買ってこよう。

楽しく飲み食いして、店を出るとエンテツさんこと、遠藤哲夫さん http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/ の姿が。<駒込大観音>で、「水族館劇場」の演劇を見てきたらしい。有志でぷらぷら歩き<清龍>まで。もっと東口に近い2軒の<清龍>は、学生時代によく通っていたが、ここは初めて。研ぎ猫さんhttp://www.toshima.ne.jp/~hatogido/ 主催の「日の出会」のことなど、エンテツさんの話を楽しく聞く。

<清龍>もいいが、西口の<ふくろ>は、まだ健在だろうか。久しぶりに行ってみたい。忘れ物をしたのに気づいた友人が、電話で問い合わせたときに「お客さん、うちで忘れ物したら、絶対にでてこないよ」と言われていたのが懐かしい。そんな濃い味の、真昼間からやっている飲み屋だった。

キース・デブリン/ゲーリー・ローデン『数学で犯罪を解決する』(ダイヤモンド社を読了。アメリカで人気の犯罪ドラマ「NUMB3RShttp://www.foxcrime.jp/bangumi/numbers/index.shtml を切り口に、犯罪解決の数学的アプローチを紹介している。紹介されているものは、可能性にすぎないものもあるが、実際にあった事件とそれを解決に導いた数学的手法もいくつか。第1話の連続強姦殺人犯の住居を数式を使ってつきとめるのは、ほぼ実話で、主人公が「スプリンクラーの水滴の行方は数学で予測できないが、水滴からスプリンクラーの位置は予測できる」というセリフは、この事件を解決に導いた数学者の言葉そのままだという(つまり、次の犯罪が起こる地点は予測できないが、今まで犯罪が起こった地点から犯人の住居は予測できる)。数学で犯罪を解決するためのソフトは一大市場になっていて、各国の警察に納入されているという。契約しているCATVを調べてみたら、「FOX CRIME」というチャンネルで、放送中だった。見てみたらドラマも面白い。テレビ版「ガリレオ」で、福山雅治扮する湯川が数式を書きなぐるシーンは、明らかにこのドラマからインスパイアされている。訳者の山形浩生(共訳)の名前で、買った人も多いだろう。氏の詳細な日本版オリジナル解説と読書ガイド付き。

数学で犯罪を解決する

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