「気まぐれ日本文學全集」にわくわく!

foxsya2008-06-13

朝起きて今日からの出張の準備。それを終えると、明後日の日曜日開催「わめぞ」http://d.hatena.ne.jp/wamezo/ の「鬼子母神古本まつり」用の本をダンボールに詰め、近くのコンビニに行き、<古書 往来座http://ouraiza.exblog.jp/ へ発送。

職場へ行き、11時頃まで、ひたすら押印。その後、東京駅へ向かい、新幹線へ。売店で買った「Hanako」などを読む。副都心線開通特集。<往来座>や<旅猫雑貨店>http://tabineko.seesaa.net/ が載っている。瀬戸さんの顔写真とコメントもあり。

京都で地下鉄に乗り換え、国際会館へ。先乗りしている部下たちと会い、仕事の確認。仕事を終え、地下鉄で三条まで。

ジュンク堂>が入っている<BAL>というビルを探すが、なかなか見つからない。大きなビルが立ち並ぶエリアに何とか迷い込み、やっと見つかる。

目指すは5階。岡崎武志さんと山本善行さんの『古本屋めぐりが楽しくなる本 新・文学入門』(工作舎http://www.kousakusha.co.jp/BOOK/ISBN978-4-87502-410-1.html の刊行を記念したフェアを開催中なのだ。

思ったより、スペースが大きいフェアだった。岡崎さんと山本さんの「古本対決」、二人の著作、『古本屋めぐりが楽しくなる本 新・文学入門』でとりあげられている本が何本もの棚にずらりと並ぶ。二人のチョイスによる「気まぐれ日本文學全集」全60巻構想も張り出されている。この全集が欲しくなる。二人が選んだ各巻の選者も楽しい。景山民夫の巻もあるのが意外。やはり『普通の生活』『イルカの恋カンガルーの友情』のようなエッセイが中心だろうか。『トラブル・バスター』の何篇かも入れたいところ。晩年が晩年だっただけに、話題にのぼることも少なくなったが、作品はもう少し顧みられてもいいのではないか(特にエッセイ)。

なぜか持っていなかった山本さんの『古本泣き笑い日記』(青弓社)、「古本対決」の棚から、深沢七郎『余禄の人生』(文春文庫)、武田泰淳『私の映画鑑賞法』(朝日新聞社)、『新・文学入門』でとりあげられている本の棚から、大川渉編『短編礼賛 忘れかけた名品』(ちくま文庫)、 野見山暁治『四百字のデッサン』(河出文庫)を買う。古本は二人出品のもの一冊ずつだったので、自分にとって、この「古本対決」は引き分け。

帰り際にもう一度、フェアの棚を眺めて、見事なセレクトぶりにほれぼれというかため息が出る。本の発売が楽しみだ。ちょうど、山本さんが古本の補充に来ればびっくりだが、そんな偶然もなく、店を後にしようとすると、バイクのヘルメットを持った可愛らしい女性が『書肆アクセスという本屋があった』(右文書院)を棚から手に取っている。自分のすぐ右前方にいたので、さりげなく覗き込むと、私がまとめさせてもらった「書肆アクセス関連文献目録」を読んでいる。これはこれで、すごい偶然だろう。

京都駅に戻り、ホテルにチェックインし、部下たちと夕食に。いろいろな話を聞き、新しい職場での仕事に大いに参考になる。

明日は、9時から夜の8時まで仕事。いい本屋がたくさんあるこの地にいて、どこにも行けそうもないのは本当に残念だ。

森まゆみ『寺暮らし』(集英社文庫)を読了。しっかりとした調査の行き届いた『彰義隊』のような歴史ものもいいが、軽やかな身辺雑記風のエッセイもいい。しかも、登場する場所が自分になじみのあるところばかりなのでなおさら楽しい。当時、森さんが住んでいたのはお寺の敷地内だった(だから寺暮らし)。そのお寺の入り口の門には二匹の象がいるという記述があると、「ああ、あのお寺か」という具合。杉田比呂美さんのイラストもエッセイの世界にぴったりでいい感じ。続編(?)の『その日暮らし』も文庫化されたので、早速、読み始めた。

寺暮らし (集英社文庫)

寺暮らし (集英社文庫)