カソウテキの行方

foxsya2008-03-02

外市2日目。6時に起床。風呂に入ってから、追加の値付け開始。

武藤さんhttp://d.hatena.ne.jp/mr1016/ とついた差を少しでも縮めるため、カートに一杯になるぐらいは持っていこう。

しかし、何が売れるかわからないものだ。話題の『越境者 松田優作』など、すぐなくなるかと思ったのだが、昨日は売れ残った。

結構、値付けに時間がかかり、<古書 往来座http://ouraiza.exblog.jp/ 到着は、開店の11時ぎりぎり。

帳場に何度か入る。相変わらず、骨董の<上がり屋敷>の何だかよくわからない品々がよく売れる。今回、皆が注目していたのは赤い××のお×。私が帳場に入っていたときに売れた。

古着もたくさんお買い上げいただいたお客様だったので、大きな手提げ袋にも全ては納まらない。お×の一部が袋の上部から飛び出すことになった。

さすがな向井さんがチェックしていて、「お×の×が飛び出してたよ」との指摘。「もちろん、わざとですよ」とお茶目に答えたような気もするが、お買い上げいただいた商品で遊ぶわけもなく、あくまで不可抗力。

自分のものもぽつぽつ売れていて、退屈君http://taikutujin.exblog.jp/ が「小林信彦の『監禁』売れましたよ」と教えてくれたように、自分が帳場に入っていないときに売れたものも何人かの人が教えてくれる(皆の私に勝ってほしいという思いが伝わってくる?)。

魚雷さんhttp://gyorai.blogspot.com/ が、私の箱を覗き、宮田珠己小学館文庫『旅の理不尽−アジア悶絶編』を見て、「あっ!」という小さな声をあげる。「小説すばる」の連載で、この本が見つからないことを書いたばかりだったとのこと。

タマキングこと宮田珠己の本は、高野秀行さんが、大プッシュしていたので、以前から読んでいる。この本の元版の新風舎のものも持っているが、<ブックオフ>などで見つけたときは、文春文庫PLUSの『東南アジア四次元日記』ともども拾っている。

ただし、魚雷さんは一週間ぐらい前に、見つけたということで、買ってはもらえなかった。惜しい!

昼食は、塩山さんと晩鮭亭さんhttp://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/ と。あっちでもないこっちでもないとうろうろするが、「ここ」という店が見つからず、<硯屋>の支店で、うどん。

塩山さんの話は、文章と同じく、「芸」があり面白い。事務所の引っ越しでお疲れのようだが、いろいろ話を聞かせてもらう。

「お前の職場の建物、ありゃなんだ〜 趣味悪くないか」と言われ、驚く。私の職場に来たことがあるそうだ。お譲さんのためだという。子煩悩。「書評のメルマガhttp://back.shohyoumaga.net/?eid=707651 の「版元様の御殿徘徊」ばりに徘徊したということはなく、近くのファミレスでお譲さんの帰りを待っていたとのこと。

店の中で赤ちゃんを抱えた若いお父さんが、テーブルにぶつかり、他のお客さんの飲み物のグラスを割って、飲み物をこぼしてしまう「事件」があった。店を出ると、塩山さんが「ひどい親だよなあ。謝りもしなかっただろう」と言うので、「いや。何度も謝って、相手の人から、『もう、本当にいいですから』と言われてましたよ」と教えると、「ちっ! 非常識な親がいるって、無駄話http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/nikkann.html に書こうと思ったのによう」とのこと。残念そうだった。

晩鮭亭さんともどもご馳走になる。ありがとうございました。

職場の親睦団体からもらった図書カード3,000円分を持っていたので、<ジュンク堂>に寄り、武藤康史『文学鶴亀』(国書刊行会)、中野翠『小津ごのみ』(筑摩書房)を買う。カードでは足りず、足が出た。

今回、出品した中で、一番の高値は、村上龍と春樹の対談本『ウォーク・ドント・ラン』(講談社)。「日本の古本屋」の半額以下の値付けをしたのだが、今のところ売れていない(VS武藤さん対策の飛び道具)。

「昨日の夜、ブログを見ていたら、2人ぐらい話題にしている人がいましたよ。しかも、買っておけばよかったと後悔してました」と、晩鮭亭さんが嬉しいことを教えてくれる。その人に「まだ、残ってますよ。どうぞ」と呼びかけたい気分。

晩鮭亭さんが、今日、持ってきた百瀬博教『不良日記』(草思社)も、まだ売れていない様子。これは、前田日明宛の署名本。「昨日、いらしてた書肆紅屋さんhttp://d.hatena.ne.jp/beniya/ なら興味を持ってくれたんじゃないですかね」と晩鮭亭さん。

閉店間際に帳場に入る。武藤さんの棚の中では、高額なほうの蓮實重彦の『監督小津安二郎』(筑摩書房)を売った瞬間に(追いつけなかったな)と、負けを確信する。「それは、改訂増補前のやつだから、やめたほうがいいですよ。改訂増補版が充実してます」なんてことは勿論言わない(あ〜あ)。

5時半の閉店(30分延長)と同時に片付けを開始。事前に瀬戸さんから、皆の売れ残りを店内のどこに仮置きするか書いた指示書をもらっていたので、それに基づいて片付ける。途中、<往来座>店員ののむみちさんに「このかもめの波板はどこにしまったらいいですか?」と聞かれる。君がわかんないもの、私がわかるわけないよ。

今回、意識して、「外市」用、備品、消耗品類の収納場所を記憶するようにしたので、次回はもっとスムーズにいくだろう。今までの最短時間1時間と少しで片付け終了。

打ち上げは<世界の山ちゃん>。店を閉めた<往来座>スタッフや、<にわとり文庫>さんhttp://niwatorib.exblog.jp/ (にわとりさんの店員・カータンは今回も2日間、ずっと帳場に入りっぱなし=写真)が来て、全員、揃ったところで結果発表。

最後に今回の三つ巴の勝負の結果が向井さんhttp://d.hatena.ne.jp/sedoro/ からアナウンスされる。

3位=私、2位=魚雷さん、そして1位=武藤さん。私も魚雷さんも頑張ったのだが、結構な差がついた。私の売り上げは、19,700円(2万円台いきたかった)。魚雷さんは、<コクテイルhttp://koenji-cocktail.com/ での石田千さんのトークショーのときに武藤さんにご馳走。私は家に招き、手料理でもてなすということになる。

次回5月は表立った勝負はしないが、武藤さんを「カソウテキ」として、心の中で勝負していこう(退屈君にも追い付きたい)。しかし、武藤さんの高笑いは耳触りだ。ちくしょ〜!

売れた本は以下の38冊。

坪内祐三『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(新潮社)
『プレイボーイの人生相談 1966-2006』(集英社
藤枝静男『田紳有楽/空気頭』(講談社文芸文庫
最相葉月星新一 1001話をつくった人』(新潮社)
小林信彦『セプテンバー・ソングのように 1946-1989』(弓立社
ローレンス・グローベル『カポーティとの対話』(文藝春秋
長新太『おしゃべりな絵』展覧会図録
海野弘『東京の盛り場 江戸からモダン都市へ』(六興出版)
白洲正子『私の古寺巡礼』(講談社文芸文庫
高橋英夫『批評の精神』(講談社文芸文庫
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房
城山隆『僕らの「ヤング・ミュージック・ショー」』(情報センター出版局)
和田誠『お楽しみはこれからだ PART5』(文藝春秋
谷川俊太郎谷川俊太郎質問箱』(東京糸井重里事務所)
久保田二郎鎌倉幕府のビッグ・ウエンズデー』(角川文庫)
岡本綺堂『風俗江戸東京物語』(河出文庫
ロラン・バルトエクリチュールの零度』(ちくま学芸文庫
澁澤龍彦『フローラ逍遥』 (平凡社ライブラリー
小沢昭一永六輔『平身傾聴裏街道戦後史 色の道商売往来』(ちくま文庫
『東京で温泉気分』(交通新聞社
彷書月刊 2001年7月号「この文庫、品切れ中につき」』(弘隆社)
喜国雅彦『本棚探偵の回想』(双葉文庫
中村伸郎『永くもがなの酒びたり』(早川書房
吉田健一『旨いものはうまい』(グルメ文庫)
高山宏 『殺す・集める・読む 推理小説特殊講義』(創元ライブラリ)
戸板康二グリーン車の子供』(創元推理文庫
木村衣有子『京都のこころAtoZ』(ポプラ社
野村麻里編『作家の別腹』(光文社知恵の森文庫)
小林信彦『監禁』(角川文庫)
内田樹『街場の現代思想』(NTT出版)
中村武志百鬼園先生と目白三平』(旺文社文庫
阿部勤也『ヨーロッパ中世の宇宙観』(講談社学術文庫
庄野潤三『前途』(講談社
いその・えいたろう『フェチ楽園考』( ちくま文庫
宮武外骨『滑稽漫画館』(河出文庫
志賀卯助『日本一の昆虫屋』(文春文庫プラス)
高山なおみ『日々ごはん9 』(アノニマ・スタジオ
武田泰淳『十三妹』(中公文庫)

2次会は有志でカラオケ。自分はわめぞカラオケ初参加(カラオケ自体あまり行かない)。ゲストの木村さんhttp://mitake75.petit.cc/banana/ の歌声が耳に残る。佐野元春の曲(なんて曲だったか?)のリフレインがずっと耳に残っていた。可愛らしい歌声というのは褒め言葉なのだが、もしかして失礼なのだろうか。

自分は「哀戦士」など。結構、酔ってたのか、間奏では名セリフを絶叫!(「ガンダム」知ってる人には好評だった)。

向井さんのツボイノリオに爆笑しつつ、4時頃終了。退屈君を送ってタクシーで帰宅。2時間眠り、仕事へ。

本日、「外市」で買った本は以下の通り。

ポーリン・ケイル『今夜も映画で眠れない ポーリン・ケイル集』(東京書籍)
伊藤光晴・丸谷才一山崎正和大岡信森毅『近代日本の百冊を選ぶ』(講談社
大川渉・宮前栄平岡海人『下町酒場巡礼』(ちくま文庫
矢田津世子『神楽坂/茶粥の記』(講談社文芸文庫
林芙美子『下駄で歩いた巴里 林芙美子紀行集』(岩波文庫
中野晴行編『マンガ家誕生。』(ちくま文庫
青木富夫『子役になってはみたけれど―小説突貫小僧一代記』(都市出版
川本三郎『映画の昭和雑貨店【完結編】』(小学館
長谷川町子サザエさんうちあけ話』(姉妹社)

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◎2008年4月5日(土)

第1回 月の湯古本まつり

詳細情報はこちら http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20080216

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