「スイミー」? 「赤い実はじけた」?

今日は早く仕事が終わったので、久し振りに古本販売をさせてもらっている代田橋のcafe<CHUBBY>http://www.chubby.bz/ に寄る。

スタッフの皆から「あけましておめでとうございます」と言われる。一体、何月だ? 穴があったら入りたい。それだけ、本を入れ替えてないということだ。

美味しいハヤシライスをいただき、ビールとワイン。

カウンターの隣では、小学校の先生が明日の国語の授業の予習中。何か授業の視察があるとかで、力を入れて予習とのことらしい。

明日の授業はあまんきみこの「おにたのぼうし」という作品。絵はいわさきちひろ。これは知らない。小学校の国語の教科書に載っている作品も、自分たちの頃と随分変わっているのだろう。

若いスタッフたちが教科書に載っていた作品について語りだす。「スイミー」が良かった。「赤い実はじけた」が良かったと盛り上がっているが、どちらも知らない…。「スイミー」は、仲間はずれの魚の話(ファイティング・ニモ?)、「赤い実はじけた」は初恋の話らしい。

借りている古本棚について店主のTさんから提案をいただく。願ってもないもので、もう少し頑張らなくてはとの思いを強くする。「外市http://d.hatena.ne.jp/wamezo/ や「一箱古本市http://sbs.yanesen.org/ だったら、あっという間に売れてしまうような本が、ここでは何か月も動かなかったりする。客層が違うのだから当たり前。自分の我を通さず、もっと、この店のお客さんが望んでいるような本に少しシフトして、「外市」等で売れる本はそちら用に引き上げよう。

売れた本の精算をした。売れたのは以下の通り。

藤谷治『恋するたなだ君』(小学館
小林信彦ビートルズの優しい夜』(新潮社)
赤瀬川原平『吾輩は猫の友だちである』(中公文庫)
陳凱歌『私の紅衛兵時代』(講談社現代新書
なだいなだ『心の底をのぞいたら』(ちくま少年図書館
福田洋『三菱銀行人質強殺事件』(教養文庫
村上春樹『やがて悲しき外国語』(講談社
レイ・ブラッドベリ『十月の旅人』(大和書房)
みうらじゅん『正しい保健体育』(理論社
パトリス・ジュアリアン『フランス料理ABC』(文化出版局

来週から週に一度(日曜日の昼ごはんかな?)は本の補充・入替を行おう。

帰宅後、録画していた今夜放送の「相棒」http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/ を見る。傑作とはいかないが水準作といったところか。ブログによれば、東川端参丁目さんhttp://d.hatena.ne.jp/thigasikawabata/ も「相棒」ファンらしい。どんな話がお気に入りだろうか。現在発売中の雑誌「ドラマ」は「相棒」特集。4人のライターによる5作が掲載されている。読みごたえあり、シナリオで読んでも面白い。贅沢を言えば、古沢良太の「バベルの塔」が読みたい(特集中のプロデューサーインタビューに、「バベルの塔」のシナリオを読んだ出演陣が興奮して早く撮影に入りたがったとの記載あり)。桂千穂の「『相棒』へのファンレター」も掲載。桂によれば、双葉十三郎も「相棒」ファンだそうだ。ただ、東川端参丁目さんも書いているように、レベルにばらつきがあるのは確か(毎週放送だから仕方がないか)。レンタル店でDVDが借りられるので、未見の人向けに、お薦めのタイトルリストでも時間があるときに作ろうか。ちなみに「相棒」には、「ウルトラセブン」12話のような封印作品もある。

佐々木譲『疾駆する夢』(小学館を読了。第三次佐々木譲マイブーム。一次は第2次大戦三部作の頃、二次は『武揚伝』の頃、そして第三次は『警官の血』をきっかけとして今。戦後、小さな町工場を起こし、世界的な自動車メーカーにしたビジネスマンの物語。NHKあたりでドラマにしたら面白いものができるだろうに。事実のフィクションへの融合の仕方に職人芸を感じる。後半、涙ぐんでしまうところ一箇所あり。原付自転車やオート三輪の開発、念願の乗用車生産、ルマン24時間レースへの参戦、新エンジンの開発、日米経済摩擦、バブル崩壊…と、見せ場多し。愚直な(あからさまな)テーマ(ものづくりの楽しさ・素晴らしさ)が、ちゃんとエンターテインメントとして描かれている。こういうビジネス小説なら面白く読める。

疾駆する夢〈上〉 (小学館文庫)

疾駆する夢〈上〉 (小学館文庫)