税務署来たる

本日、完成した家を税務署が調査に来るということで仕事を休む。不動産取得税と固定資産税の算定のための調査。

せいぜい30分ぐらいの調査なので、半公休で充分なのだが、何か口実がないと休みにくいので、思い切って休みをとった。

いつもと同じ6時過ぎに起き、風呂に入ってから片付け開始。キッチンに山積みだった鍋、食器類、テーブルに散乱していた本・雑誌類、畳コーナーに脱ぎ散らかしてあった衣類、全て綺麗になった。定期的にお客さんが来ないとダメかも。無印のフローリングモップで部屋の隅のほこりも綺麗に(いっぱい溜まってるものだ)。

片付けが終了してからは、用意しておくよう指示があった書類探し。新居に引っ越してから2ヶ月だが、開けてない段ボールがまだ半分ある。そのどこかに入っていると思われる。

「契約書」「見積書」「設計図」は何とか見つかるが、「確認申請書」は出てこないまま、税務署のお二人を迎える。

非常に感じのいい男女二人組。「すごい本棚ですね。こんな家初めてみましたよ」と、声をあげられる。家の形・面積などは登記簿等でわかっているだろうが、こんな本棚だらけの非常識な家とは思っていなかっただろう。

女性の方が、登記簿と設計図を見ながら、面積を確認していく。その間に、男性の方は、設計の仕様書から建材等を確認しながら私に質問。

「設計図ですと、1階の親世帯と、2階のユニットバスは同じ製品のようですが、そうですか?」と聞かれたので、「2階はハーフユニットで、浴槽から上は木材です」と答えると、見せてくれとのことなので、案内すると、「檜ですね」と言いながら、手元の用紙に書きこむ。さすがプロフェッショナル。見てすぐわかるのだ。

外壁のガルバリウムを税務署の人が誤認してトタン板と思って税金が安くなったという嘘のような話も聞いたことがあったが、そんなことはもちろんなく、外壁欄には、しっかりと、ガルバリウムと記入されていた。

「吹き抜けのキャットウォーク部分(吹き抜け3階部分の本をとるための)は、すのこ状ですから面積に算入されないんですよね」と確認すると、思いもよらない答えが返ってきた。「そもそも、すのこ状云々ではなく、壁がないわけだから、個人的には面積算入されなくていいと思うんですが、この部分登記されてるので、それに従わざるを得ないですね」とのこと。

その場で建築家に電話すると工務店と測量事務所に連絡して、善後策を考えてくれるとのこと。

一通りの確認が終わると、税金について丁寧に説明してくれる。わが家の広さだと、3年間は免除され、払わなくていいそうだ。予想もしていなかったので嬉しい(これって常識ですか?)。4年目から急に来ますから驚かないでくださいねとも。4年目から概算でいくらぐらい請求されるかも説明してくれる。これも予想していたより少なかったのでほっとする。

帰り際、女性の方は「こんな本に囲まれた家に住めるなんてうらやましい」と言い、男性の方は「電車で週刊誌を読むぐらいで、活字は嫌いなので、正直、圧迫感があります」と言いながら帰っていった。

3月の「外市http://d.hatena.ne.jp/wamezo/ 用の本の用意もしていないので、徒歩で方南町の<ブックオフ>に行く。「外市」用に何冊か買い、方南町駅から新宿方面に行くか、荻窪方面に行くか、悩みながら改札に入る。<BASARA BOOKShttp://basarabook.blog.shinobi.jp/ に「みんなの古本500冊」が再入荷したことを思い出し、荻窪方面にする。

比較的空いている車内に座ると、正面で船をこいでいる男性に気付く。一昨日の結婚パーティーの主役T君だ。はっと目を覚まし、正面に私が座っているので吃驚していた。新宿方面に向かい、T君と中野坂上で別れる。

新高円寺で降り、<ブックオフ>へ。「外市」用に何冊か買って、高円寺方面へ歩く。途中、何軒かの古本屋を覗き、庄野潤三『ワシントンのうた』(文藝春秋)、西川治『旨みスタミナにんにく料理』『ピリッカラ唐辛子料理』(インフォレスト)、「東京人89年7月号 東京の胃袋」を買う。

高円寺から中央線に乗り荻窪へ行き<ブックオフ>へ。中島京子『イトウの恋』(講談社)、佐々木譲『きょうも舗道にすれちがう』(中公文庫)、半村良『岬一郎の抵抗(三)』(集英社文庫)と「外市」用に何冊かを買う(中村伸郎『おれのことなら放っといて』(早川書房)等)。

本来なら、何軒か寄りたい古本屋があるのだが、今日は火曜ということで休みの店が多い(税務署、なぜ火曜に来るんだ!)。吉祥寺まで行き、当初目的の<BASARA BOOKS>に行き、「みんなの古本500冊」「CABIN 9号」を買う。レジで「今日は福井さんは?」と聞くと、「遅刻です」との答え。

井の頭線で浜田山に向かい<ブックオフ>へ。中野翠『本日、東京ロマンチカ』(毎日新聞社)を買う。英文会計に関する本がないといって、店員を怒鳴り続ける客がいる。年のころは、40ぐらい。皮ジャン。目が血走り、クスリでもやっているよう。実はクスリをやっている人の目を見たことがある。うちの隣のアパートに住んでいたヤクザのMさん。フルヌードでわめきながら走ったり、包丁を振り回したり…そのうち覚せい剤取締法違反で逮捕された。

件の男は、まだわめき続けている。「吉祥寺店まで行って探して持ってこい!」。気分が悪くなり、店を出る。<ブックオフ>の目の前の<函館 美鈴>http://www.misuzucoffee.com/tenpo/tenpohamadayama.htm でコーヒーを買う。店の前のベンチに座り、凛とするような冷たい空気のなか、『本日、東京ロマンチカ』を読みながら、コーヒーを飲む。

帰宅後、大根を切り、煉りものと一緒にストーブの上の鍋でことこととおでんだしで煮る。そのストーブの横で「CABIN 9号」に目を通す。巻頭の山田稔「前田純敬、声のお便り」から順に読むが、どれも面白い。「CABIN」はあと3冊ぐらい店にあったが、買ってこなかったことが悔やまれる。すぐに<BASARA BOOKS>に電話をして取り置いてもらう。

マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー『バルコニーの男』(角川文庫)を読了。マルティン・ベックシリーズ。このシリーズは、<ブックオフ>などで見かけるたびに買って読むことにしているが、最近は意外に見ない(10年以上前にはどこにでもあったのに)。約40年前の作品ということで、派手な展開や仕掛けはなく、落ち着いたストーリー展開だが、飽きることなく読み終える。これ以降の内外の警察小説に大きな影響を与えたのも納得。最新のミステリーを読むのもいいが、過去の作品にもまだまだ読み逃しているものが多い。映画化に際し『うたう警官』を『わらう警官』に改題したことからも推察できるように、佐々木譲ももちろんこのシリーズに熱中したのだろう。

バルコニーの男 (角川文庫)

バルコニーの男 (角川文庫)