節分の夜

朝、目覚めると爽快。やはり風邪ではなく疲れだったのだろうか。寝室は、普段、デロンギの弱めの暖房なのだが、リビングのアラジンのストーブを持ってきて、ガンガン暑くして汗をかいた作戦が功を奏したのか。

外を見ると、雪景色。デッキに置いている蜜柑やオリーブの木にも雪が積もり、折れそうだ。雪の降る中、急いで、それらを庇の下まで移動する。

デッキの雪景色を眺めながら本を読んだり、風呂に入ったりしていると、どんどん時間が過ぎる。休みの日の時間経過のなんと速いことか。ときどき、庇の上の雪の塊りがどすんと落ちる。

今夜は節分の豆まきの会に呼ばれている。その前に、まだ開けていない本の入った段ボールに手をつけるかと思っていたのだが、うだうだしているうちに夕方になってしまった。

料理を持って行くつもりだったので、歩いて2分ぐらいのスーパーに行く。小さい店だが、こういう天気のときには便利。

牡蠣を4パック買ってくる。半分は、牡蠣を使ったサラダ、半分はオリーブオイル煮にする。

オリーブオイル煮は、牡蠣を60度ぐらいに保ったオリーブオイルで1時間ぐらい煮る(味付けは五香粉)。アラジンのストーブの上に網を置き(鍋に伝わる熱を弱めるため)、その上に鍋を置く。

それを放置しておいて、牡蠣のサラダを作る。

さて、うまくいったかどうか。できあがった料理と自家製梅酒を持って、足もとの悪い中、おっかなびっくり駅に向かう。

思ったより、料理に手間取り、約束の時間に30分ほど遅れて到着。ドアを開けた途端に豆が飛んできて、顔面に命中!

もう豆まきが始まっているわけではなかった。遅刻の罰というところか。

この後は美味しいお酒と料理を愉しむ。<景虎>のにごり酒のせいか、いつもよりハイテンションの人何名か。

そんななか、豆まきがスタートしたので、わけのわからないカオス状態に。この勢いなら、鬼は退散するだろうが、福さえも恐れをなして近づいてくれないような気もする。

床に撒き散らされ、踏みつぶされた豆の残骸を皆で片付けてお開き。

今夜、持っていった料理は人に食べさせるのは初めてだったが、好評だったのでよかった。

帰りに、近所の若者、T君とAちゃんの結婚祝いのパーティーに顔を出し、2時過ぎまで。

こういうことをしているから、本人は虚弱のつもりなのに、タフだとか言われてしまうのだろうか。

景虎が鬼より怖い節分酒   狐穴

井上夢人『風が吹いたら桶屋がもうかる』(集英社を読了。ダンボールを開けて、本棚に並べる作業をしているときに、「この本、まだ読んでいなかったな」と読み始めてとまらなくなった。この著者、寡作なせいもあるかもしれないが、どの作品もはずれがなく、完成度が高い。この連作短編集もストーリー、アイデアともいいが、登場人物たちも魅力的。シリーズ化されていないのが不思議。是非とも、続編を書いてほしい。ただ、常に新しいものを書きたいという作家のようなので難しいだろうか。

風が吹いたら桶屋がもうかる (集英社文庫)

風が吹いたら桶屋がもうかる (集英社文庫)