次回は勝負だ! 打倒! <m.r.factory>

foxsya2008-01-06

昨日は仕事を終えてから5時過ぎに<古書 往来座http://ouraiza.exblog.jp/ で開催中の「外市http://d.hatena.ne.jp/wamezo/ へ。駅まで歩くのがたるく、職場の目の前に停留所があるバスで池袋まで向かう。部下が調べてくれて、「あと4分でバスが到着しますよ」とのことで、小走りで停留所に向かう。

幸い座れて、いつの間にかうとうとしてしまい、気づいたら終点の池袋東口。<往来座>に向かう途中、<ジュンク堂>に寄り、武藤良子さんhttp://www.toshima.ne.jp/~mryoko/ 推薦の「東京銭湯お遍路マップ」、「アルネ」最新号、小島信夫アメリカンスクール』、ポール・オースター『トゥルー・ストーリーズ』(新潮文庫)を買う。

往来座>に着いて、わめぞの皆さんに挨拶。<漫画屋>の塩山さんhttp://www.yubun-shoin.co.jp/book/book_detail/4-8421-0703-5.html は、寒さに耐えきれず帰ってしまったそうだ。確かに今日の「外」は寒かったことだろう。

そんな寒さの中、棚のまわりにお客さんは多い。開店時はさぞかしたくさんの人で溢れたに違いない。そんな中、自分の箱を眺めたが、箱詰めをしたのが1週間前で、どんな本を出品したのかなかなか思い出せず、「もしかしたら一冊も売れてないのでは」と疑心暗鬼に。引っ越しの忙しさでろくに準備もできずに、質も量も今までで最低という自覚もある。

帳場に入り、<立石書店>の岡島さん、<Y&N>のNさんと「相棒」http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/ の話などしながら、本を売っているとあっという間に閉店の8時。

後片付けを終え、晩鮭亭さんhttp://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/ と退屈君http://taikutujin.exblog.jp/ と食事へ。目についたホルモン焼き屋に入る。自分はどちらかというと、アルコールを飲みだすと、食事を摂れないのだが、二人はよく食べる。山盛りご飯をお代わりしていた。退屈君が前川つかさの『大東京ビンボー生活マニュアル』(講談社)を知らなかったので、二人で猛プッシュ。「主人公の彼女がいいんだよ!」と大人気もなく力説。前川つかさは、もうああいう雰囲気の漫画は描かないのか。選挙漫画には興味なし。

晩鮭亭さんからは、Yさんの棚から買ったダリオ・マリネッティ「『チーズはどこへ消えた?』『バターはどこへ溶けた?』どちらがよい本か?」(データハウス)を見せてもらう。面白い。以前、西荻マリネッティ氏本人から、この本について聞いたことがあるが、実物を見るのは初めて。欲しくなったので、頑張って探してみようか。

帰宅して、風呂につかり、今日、「外市」および「中市」で買った本をパラパラとめくる。今日、買ったのは以下の通り。

「外」にて
石井光太『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』(新潮社)
江藤淳アメリカと私』(講談社文庫)
坂本衛『超秘湯に入ろう!』(ちくま文庫
吉田満戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫
永井荷風『日和下駄 一名東京散策記』(講談社文芸文庫
安藤鶴夫『巷談 本牧亭』(角川文庫)
田沼雄一『野球映画(ベースボール・ムービー) 超シュミ的コーサツ』 (小学館文庫)
SUMUS スムース8号 パリ本の魅力」
「東京人 1996年3月号 特集・ふるほんの宇宙」
「東京人 1998年9月号 特集・荷風と東京の戦後」

「中」にて
角川書店編『俳句歳時記−新年編』(角川文庫)
W・リンク&R・レビンソン『刑事コロンボ ハッサン・サラーの反逆』(二見書房サラブックス)

ある人から句会に誘われたので、歳時記はそのために買ったが、付け焼刃で何とかなるものだろうか。サラ・ブックスの刑事コロンボシリーズは、これでコンプリートだと思う。日本のコロンボ小説は、クレジットされている翻訳者によるノヴェライズだが、『ハッサン・サラーの反逆』の翻訳者・高村信太郎は高橋三千綱じゃなかったか。他にも、岡本喜八小泉喜美子といった人が「翻訳者」として名を連ねている。

今朝は8時過ぎに起き、「外市」に追加する本のスリップ作成。もっと早く起きようと思っていたのだが、昨夜、家の近くの<シャンシャン>に引っ掛かり、地元の若い友人と2時過ぎまで飲んでしまい、起きられなかった。テレビのカメラマンをしている彼からは、正月のCSのプロレス撮影について話を聞く。2chで「あのカメラマンちゃらちゃら動きすぎて邪魔」とか書かれたとのことで、少し落ち込んでいた。

風呂に入っている間にレコーダーのハードディスクから「相棒」4話分をDVDに落とす。

10時には到着しているつもりだったが、目白駅から歩いて(<往来座>に行くときは専ら目白駅から。池袋駅からの混雑もあってか、目白駅からのほうが近いように感じる)、30分ほど遅れて到着したが、準備はほとんど終わっていて恐縮。自分の箱に追加の本を入れ、開店を待つ。

昨日は開店と同時に、プロやマニアの人が押し寄せただろうが、今日はちらほらとお客さんが見えるなか、まったりとスタート。道では、アマノさんが<旅猫雑貨店>の売り物(?)の凧をあげるべく走っている。似合いすぎ!(写真は<旅猫雑貨店>のか猫さんが描いた凧あげをするアマノさん)

Nさんが来たので、ダビングした「相棒」のDVDを渡す。Nさんは年末の「朝まで『相棒』ナイト」を見て、もっと見たいと思ったそうなので。

昼過ぎぐらいから徐々にお客さんが増えてきて、夕方には混雑といった感じになっていた。東川端参丁目さんhttp://d.hatena.ne.jp/thigasikawabata/ も来て、手にはしっかりと『論よりコラム』を持っている。これは、「漫画アクション」掲載のコラムをまとめたもので、呉智英が結構書いていたような記憶がある。ビニールカバー付き。新居に積んである段ボールのどこかからそのうち出てくるだろう。今の「アクション」には、もうああいうコラムは載ってないんだろう(一度、エロ漫画誌になったし)。「漫画ゴラク」の北川れい子のコラムなんかは、まだ生き残っているのだろうか。

東川端さんに声をかけるタイミングを計っていたのだが、気づいたときには軽やかな足取りで池袋法方面に消えていった。急いでいたのか、歩くのが速い。

「外」の帳場の脇の<さとみの本>に堀辰雄の初版本が安く出ていたので買う。去年の夏、お世話になった軽井沢は信濃追分の古本屋<追分コロニー>さんhttp://www11.plala.or.jp/colony/col_home.html は、目の前が<堀辰雄記念館>で、堀辰雄の本も集めている。プレゼントにしようと思ったのだ。

すると、買った途端に、<追分コロニー>さんの店主&番頭さんが登場してびっくり。冬は限定営業で(ものすごく寒いらしい)、京都、名古屋の古本屋を巡って、車で帰ってきたそうだ。いよいよ東京の住居を引きはらって追分に完全移住とのこと。暖かくなったら<追分コロニー>に行きたいというYさんを紹介。皆さまも暖かくなったら、<追分コロニー>にどうぞ。もちろん、私も今年も行きますよ!

音の台所http://homepage3.nifty.com/oto-kitchen/ のモギさんもご来店。私の友人が出演したガムランのコンサートで会って以来。モギさんは、か猫さんが胸につけていた、近所の小学生作成の毛玉人形(?)を買いに<旅猫雑貨店>へ向かった。

今日の買物は控えめに、大田光村松友視『私のこだわり人物伝(向田邦子市川雷蔵)』(日本放送出版協会)と湯川豊彦・サライ編集部編『絶滅寸前商品』(小学館サライブックス)の2冊のみ。

『私のこだわり人物伝』は、ラジオで伊集院静が、向田邦子作品を解説した太田光の語り口を絶賛したのを憶えていて、読みたいと思っていた(再放送があれば見たい)。『絶滅寸前商品』は、いまだ細々と作られている逸品を紹介したもの(豆炭のアンカが欲しい)。これは、<リコシェhttp://www.ricochet-books.net/ の豆子さんの棚から買ったものだが、スリップには「寸前」が抜けて、「絶滅商品」と書いてあった。豆子さんらしい…

本日は5時閉店。今回はスムーズに閉店作業が行えるよう、<古書 現世>http://d.hatena.ne.jp/sedoro/ の向井さんが事前に段取りを考えてくれた。<往来座>の瀬戸さんに確認しながら、システマチックにスムーズに作業が進む。自分も積極的にどんどん片付ける。瀬戸さん作成の「外市」用の軒下拡張具「かもめ」も分解し、トタンを瀬戸さんのところに持っていき「どこにしまいます?」と聞くと、驚いた顔で「一体、どうやって外したんですかっ! すごいなあ」と言われるが、そんな難しい作業とは思えないのだが、お世辞(?)だろうか。

<わめぞ>メンバーは相変わらずチームワーク良く、閉店作業は6時半に終了。1時間半かかっているが、向井さんの段取りで、いつもより40分〜50分は早く終わった感じだ。

皆で打ち上げ会場の<世界の山ちゃん>へ向かう。

打ち上げスタート後、武藤さんhttp://www.toshima.ne.jp/~mryoko/は「福井さんはまだ来ないの〜」と落ち着かない。今回、武藤さんと<BASARA BOOKShttp://basarabook.blog.shinobi.jp/ の福井さんは売上ガチンコ勝負。勝利の手ごたえをつかんでいるらしい武藤さんは福井さんの到着を待ちわびている。福井さん勝利の場合、武藤さんが<BASARA BOOKS>で一日店員、武藤さん勝利の場合、福井さんが武藤さんのアトリエの大掃除をすることになっている。今回、武藤さんの棚を見たときに、いつもと違う気合の入り方を感じたが、根っからの勝負師なのか(愛着はあるが、いつも売れ残る『三丁目の夕日』も向井さんのアドバイスで引っ込めたとか)。福井さんが現れ、皆、待ちかねの売上発表。

勝負は武藤さんの勝利。これに味をしめた(?)のか、武藤さんは荻原魚雷さんhttp://gyorai.blogspot.com/ にまで喧嘩を、もとい勝負をふっかける。それに自分も巻き込まれ3月の「外市」で3人で勝負することになる。

向井さんが「NEGIさんは本気になったら、こんなもんじゃないと思うよ。なめないほうがいいよ」と言ってくれる。次回は気合を入れて頑張らねば。次回の「外市」は3月1日(土)、2日(日)の開催になります。皆様、どうぞお越しください。

今回も売り上げTOPはダントツで<古書 現世>。ゲストの<聖智文庫>http://www5.ocn.ne.jp/~syouchi/ さんもさすがの売り上げ。私はといえば、過去最低の売り上げだった。本を並べた時点で予想できていたが、これじゃあ、武藤さんに楽勝と思われても仕方ない。次回、魚雷さんはともかく、打倒! <m.r.factory>だ!

ちなみに、売れた本は以下の通り。

日影丈吉『ミステリー食事学』(教養文庫
夢枕獏『ねこひきのオルオラネ』(コバルト文庫
蓮實重彦武満徹『シネマの快楽』(河出文庫
小林信彦『小説探検』(本の雑誌社
ソムトウ・スチャリトクル『スターシップと俳句』(ハヤカワ文庫)
高橋和巳『堕落』(講談社文芸文庫
呉智英『現代マンガの全体像』(双葉文庫
「ku:nel 木蔭主義」(マガジンハウス)
川本三郎『ちょっとそこまで』(講談社文庫)
高野慎二『つげ義春を旅する』(ちくま文庫
coco『今日の早川さん』(早川書房
アーシュラ・K・ルグイン『辺境の惑星』(サンリオ文庫
J・D・サリンジャーキャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社
五十嵐大介『カボチャの冒険』(竹書房
「酒とつまみ 8号」
久住昌之久住昌之のハイテクがなんだ!』(ダイヤモンド社
久住昌之滝本淳助タモリ倶楽部 東京トワイライトゾーン』(日之出出版
本の雑誌 25号」
向井敏『本の船』(毎日新聞社
倉多江美ドーバーを越えて』(サンコミックス
中山美穂『透明でいるよ』(ワニブックス
庄野潤三『引潮』(新潮社)

有栖川有栖『女王国の城』(東京創元社を読了。これぞ本格推理、フェアプレーの塊のようなミステリー。そんなことはしないが(楽しくないから)、几帳面な性格の人が、メモを取りながら熟考すれば、必ず犯人にたどりつけるのではないかと思ってしまうほど論理の道筋が気持ち良い(もちろん、作者はたどりつけないように物語を構築しているのだろうが)。といっても、江神シリーズの前作(15年前!)『双頭の悪魔』には少しかなわないか。江神シリーズは次作で完結だという(一体、いつになるか)。「週刊文春」ミステリーベスト10の1位。「このミス」の1位は『警官の血』だが、何年か前なら、逆になっていたような気がするのだが(「このミス」の「文春」化? 「文春」の「このミス」化?)。

女王国の城 (創元クライム・クラブ)

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