「外市」&「書評講座」

foxsya2007-11-03

外市」初日。朝6時起床。昨夜の作業で足りなかったので、近くのコンビニにスリップをコピーに行く。

スリップを挟みこんでから、荷物をまとめ、出かける。土曜の電車は空いている。大荷物なのでありがたい。

目白で降りて、<古書 往来座http://ouraiza.exblog.jp/ に向かう。JRの線路を跨ぐ橋で、<ポポタム>http://popotame.m78.com/ の大林さんにばったり会う。「また、後で」と挨拶を。

往来座>に到着し、仕事の都合で来られない<晩鮭亭>http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/ さんと自分の分の本を箱に並べる。相変わらず<晩鮭亭>さんの本のラインナップは魅力的。『人ったらし』『人間を守る読書』といった新刊も並ぶ。今回は、補充にも来られないようだし、ほとんど残らないのでは。

開店の11時近くになると、眼光鋭い(?)プロっぽい人たちが集まってくる。開店時にはかなりの人が。

最初に店番に入る。一通り、本を見終える11時20分頃になると、レジは大混雑。一人で、2万、3万買う人続出。南陀楼さんhttp://d.hatena.ne.jp/kawasusu/ が<古本 けもの道>として、出品しているチェコマッチラベルの貼り込み帳も売れる。25,000円也。レジ番の<立石書店http://d.hatena.ne.jp/tate-ishi/ の岡島さんが「すごい売上になりそう」と。

今回、<往来座>のお客様が<さとみの本>として、黒っぽい本をとても安く出品。18,000円の本を値切ろうとするお爺さんがいて、「出品している人もいないし、勝手に値段は下げられません。ごめんなさい」と私が答えると、「その人の住所を教えてください」だと。どうするつもり? 丁重にお断りするが、結局、その本をお買い上げいただけた。

若いファッションセンスのいい女性が鍵の束を差し出すので、何が何だかわからなくなり「はっ?」と声を出してしまう。女性が何もいわず私の胸の前あたりにずっと鍵束を差し出し続ける。(落し物を届けてくれたに違いない。<往来座>のシャッターや倉庫の鍵だろう)と思いつくと同時に鍵に貼ってある小さいシールが目に入った。「800」と書いてある。全くの思い違い。 <上がり屋敷>さん出品の骨董だ。800円×2束で1,600円なり。

何に使うのかと考えていると、「きっとばらしてアクセサリー作りの材料にするんですよ。古い鍵一つでも結構な値段するから、アクセサリー作ってる人にとってはお買い得かも」と教えてくれる人あり(<往来座>ののむみちさんだったか、まこちさんだったか)。

3時過ぎに南陀楼さん登場。マッチラベルの貼り込み帳が売れた旨を伝える。<西武コミュニティ・カレッジ>で豊崎由美さんの書評講座が開講されているのだが、南陀楼さんは、今日、ゲスト講師に招かれている。ゲストの知人は見学可能ということで、メールで、お誘いを受けていたのだ。

一緒に<イルムス>の9階の<西武コミュニティ・カレッジ>に向かう。この講座は、句会形式で、匿名の全員の書評を、講師・受講生全員で点数をつけるものだという。点数がトップの人が次回の課題図書を決められるという。今回の課題図書を尋ねると、「こんなのになっちゃったんだよ」と、鞄から本を出して見せてくれる。フランソワ・デュボワ『日本人には教えなかった外国人トップの「すごい仕事術」』(講談社)。意外にもビジネス書。

地下のエレベーター待ちの場所で、豊崎さんに会う。南陀楼さんに「すみません。こんな本になっちゃって、何とか阻止しようとしたんですけど」と詫びる。テレビやラジオでは、豪快な(?)印象の豊崎社長だが、本物はとても物腰が柔らかそう。

見学者の席に座ると、隣はミステリー評論家の香山二三郎さんだった。ミステリーチャンネルの年の瀬恒例の「闘うミステリーベスト10」では、豊崎さんと香山さんは丁丁発止やりあっている。

講座が始まると、豊崎さんの素晴らしい仕切りの講師ぶりにびっくり。大学でも(大学だからか)、ここまで、きちんとゼミを仕切れる先生はなかなかいないと思う。受講生、皆、楽しそう。

事前に集計された点数表によると、17人中、豊崎さんが2位、南陀楼さんが4位。普段、あまり書かない「けなし書評」になったという。意見交換で、受講生が南陀楼さんの書評は「想定媒体の「SPA」では、スポンサーの問題で掲載が難しいのでは」と言っていた。後から、原稿を見せてもらったが、問題になるようなものには感じなかったが。

次回のゲストは香山さんで、課題図書は、話題の桜庭一樹『私の男』文藝春秋)に決定。講座終了後、南陀楼さんが「最近、編集した本です。けなし書評の見本みたいな本です!」と塩山さんの『東京の暴れん坊』の販促活動。豊崎さんも目次を見て、「こういうメンバーを批判してるのか、面白そう」と受講生とともにお買い上げ。

皆は、この後、飲み会だそうだが、私は「外市」会場に戻る。8時まで店番をして、終了。皆で片付け。やはり、自分のものはあまり売れていないようだ。本を少し入れ替えようか。

明日の店を完全復元する本格的な片付けよりは楽で、皆、慣れてきたのかスムーズに進む。最後は恒例の向井校長先生http://d.hatena.ne.jp/sedoro/ の終礼で締め。売り上げ好調で、前回の2日分を1日で売り上げてしまったという。すごい。

有志で池袋西口の<蘭蘭>http://www.jnc-co.jp/ という中華料理屋で夕食(飲み?)。料理が何でも美味しくてびっくり。甕仕込みの紹興酒も美味でお酒の進むこと。武藤姉さんhttp://www.toshima.ne.jp/~mryoko/トークも楽しく(<往来座>ののむみちさん&こにぎり君も)、夜は更けていくのであった。

岡島さんから、12月のある会に誘っていただく。そんな目出度い会、何をおいても駆けつけます! 嬉しい気分で帰途につく。明日は、「ワメトーク」もあるし、頑張ろう。

本日、買ったのは以下の13冊。

坪内祐三『雑読系』(晶文社
中村光夫選『私小説名作選』(集英社文庫
庄野潤三『丘の明り』(筑摩書房
庄野潤三『散歩道から』(講談社
毎日新聞靖国」取材班『靖国戦後秘史―A級戦犯を合祀した男』(毎日新聞社
ユリイカ 2004年9月号 特集・はっぴいえんど 35年目の夏なんです」
佐藤忠男『東京という主役 映画のなかの江戸・東京』(講談社
竹山聖『独身者の住まい』(廣済堂出版
木山捷平井伏鱒二/弥次郎兵衛/ななかまど(講談社文芸文庫
常盤新平山の上ホテル物語』(白水社
柳原良平『船旅を楽しむ本』(講談社現代新書
森雅之『追伸−二人の手紙物語』(バジリコ)
大橋芳子編『エプロンメモ』(暮しの手帖社

仲正昌樹『前略仲正先生ご相談があります』(イプシロン出版企画を読了。自分の言葉のとらえ方が間違ってるのかもしれないが、この本に載ってる「相談」って、単なる「質問」でしかないような気がする。「身の上」とつかなきゃ、これらの「質問」もやはり「相談」なのか。仲正先生は1981年に統一教会に入信、92年に脱会。最後の2年間は世界日報勤務と、注釈にあったが、私は初耳で、少し驚いた。

前略 仲正先生、ご相談があります

前略 仲正先生、ご相談があります

*************************************************************************

私の友人・井手裕一が制作(統括プロデューサー)した映画が11/10から<テアトル新宿>でレイトショー公開されます。既に沖縄では先月末から公開され大ヒット中。東京の皆様も是非、足をお運びください。応援よろしくお願いします。映画のパンフには<ボーダーインク>の新城さんも寄稿されています。

琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」

公式サイト http://www.ryukyucowboy.com/

誰も観たことのない、琉球映画誕生! これがホントのオキナワンスピリットムービー!!

第1回琉球カウボーイ作品は、沖縄在住の若手映像作家三人による監督作品で、沖縄県内で活躍する映像クリエイターが大集結。沖縄県産オールスターキャストの出演。サウンド王国沖縄ならではの音楽満載。地元沖縄の人にもあまり知られていない、沖縄のコアな部分を取り扱った、100%沖縄ロケーション撮影の純県産映画。

沖縄の光、空気、匂いと思いが紡ぎ出したファンタジーでコメディーでちょっぴり涙ぐるぐる―。『ここでしか生まれない映画を製作したい』という願いがこめられたアチコーコー(熱い情熱の)映画!

『See Me?』清明祭という年中行事を軸に、コミカルな登場人物たちが繰り広げるファンタジームービー。主人公・夏子の不思議な体験はウチナーンチュのスピリチュアル感覚!

『Happy☆Pizza』ペルー出身の沖縄系3世アーチスト・アルベルト主演!アルベルトの曲に乗せて展開する、ピザ屋店員と不思議な女の子のショートラブコメディー。

『マサーおじいの傘』1975年の糸満を舞台に伝説の空手家と少年の交流を描いた作品。個性的な登場人物たちが少年の成長を見守る。

沖縄の風が一杯の映画です。てーげーだったり、真剣だったり。あちこーこー(熱い)オキナワは最高やっさ!」宮本亜門(演出家)

「沖縄には日本の古き良き姿がたくさん残っています。そこに住んでいる人だけではなく、そこを訪れた人さえもまるで家族のような。人ともっともっと関わりたくなるそんな映画です。」田中好子(女優)

「兄ぃ兄ぃ!姉ぇ姉ぇ! おばあちゃんの家にいて親戚の人達の会話を聞いているような気持ちになりました。沖縄の温かい風と匂いと優しさが届いてきます!」国仲涼子(女優)

「FULL MADE IN 沖縄MOVIE ですねぇ。キャストとスタッフがおもしろがって、そして一生懸命やっている感じが伝わります。映像から沖縄の空気と風とにおいがあふれていますね。」菅 康弘(NHKちゅらさん」チーフ・プロデューサー)

「沖縄は濃い土地だからといって、映画にしやすいわけではないだろう。だからこの3本から成るオムニバス、どれもジョートーな仕上がりに感心した。沖縄を遠く離れたところで見ても、飛び入りで清明祭に参加し、ピザを仲立ちに言葉の通じない恋をし、怪しい武術を身につけた気分になれる。細い強い長い綱でずるずると島へ引き戻されるようだ。」池澤夏樹(作 家)