へろへろな日々
忙しく、そして、へろへろな日々が続く。
仕事が繁忙なうえに父方の祖母が97歳で永眠した。仕事とのやりくりに苦労したが、何とか無事に祖母を送り出せた。通夜・葬儀には親戚だけで50名ぐらい来ただろうか。3分の2は未知の人。しばらく会っていなかったいとこの子供の成長ぶりには驚くとともに、心のまっすぐな若者たちと話せて嬉しかった。
祖母の棺桶には、阪神のマスコット「トラッキー」のぬいぐるみが入れられていた。これは、私が祖母にプレゼントしたもの。これを祖母は寝床に入れ、「しんちゃん」と名付け、よく話しかけていた。
「しんちゃんはつまらないねえ。話しかけても、話し返してくれないし、何をやってくれるわけでもなく、役に立たないねえ」なんて、よく言っていた。最後に、祖母と、黄泉の国に一緒に旅立ってくれ、役に立ったということか。
祖母は60歳を過ぎてから、手編みをおぼえ、死の直前まで、膨大な洋服を作りつづけた(私もセーターを編んでもらった)。玄人はだしで、祖母の作った編み物をモデルが着るファッションショーを見に行ったこともあった。今回、通夜と葬儀会場に、祖母の作品の展示場が設置され、多くの人に見ていただいたのはよかった。
ただ、残念なことは、本心ではないだろうに、人の気持が忖度できない父のがさつな言葉が、人を傷つけたり、あらぬ誤解を招いたりしたこと。尻拭いは、いつも妻であり、子供たち。何とかならないものか。
2週間の間に完徹を3回もしてしまった。今日も、睡眠は1時間半ぐらい。体は拒否しているが、何とか起きて、喪服に着替えて、神保町に向かう。喪服なのは、夜に上司のお母さまのお通夜があるため。
神保町はものすごい人。昨日から「ブックフェスティバル」なのだが、台風の影響で昨日は中止になったため、今日に人が集中した様子。道を進むのさえ、困難で、とてもワゴンの本が見られる状況じゃない。何とか<書泉グランデ>にたどり着き、苅部直『移りゆく教養』(NTT出版)を買う。ここの人文書売場は、怪しい精神世界の本が目立って、不思議な感じ。
人波の中を<岩波ブックセンター>まで戻り3階へ。午後1時半からの「ブックフェスティバル」のイベント「大崎梢http://allabout.co.jp/interest/mysterynovel/closeup/CU20060626A/index.htm ・南陀楼綾繁http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/ トークショー・本屋さんには謎がいっぱい」の開始に何とか間に合う。
大崎さんのミステリーは、未読だが、今日の話を聞いて読みたくなった。とても誠実な人柄で、温かそうな人。『配達赤ずきん』(東京創元社)は持っているので、早速、読んでみようか。作品を久世番子さんが漫画化しているそうだが、ぴったりの組み合わせだ。久世さんは、この前の「一箱古本市」参加の経験を「番線」で漫画にするとか。
知人に何人か会ったので挨拶をしてから、<書肆アクセス>http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/ に向かう。トーク会場で右文書院から出る塩山さんの新刊『東京の暴れん坊 俺が踏みつけた映画・古本・エロ漫画』のチラシをもらうが、ものすごく面白そう。本人たちは嫌がるだろうが、『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)に続く編集者・南陀楼綾繁、著者・塩山芳明は黄金コンビ。
<書肆アクセス>には、注文していた、青柳いづみこ・川本三郎監修『「阿佐ヶ谷会」文学アルバム』(幻戯書房)を取りに行ったのだが、畠中さんが「これも入ったわよ」と差し出したのは、『佐藤泰志作品集』http://www2.ttcn.ne.jp/~crane/kinkan.html (クレイン)。出版予定と聞いたときに、畠中さんに入荷予定を尋ねていた。そのときは「難しいかもしれない」という返事だったのだが、憶えてくれていたようでありがたい。
<書肆アクセス>の中も、お客さんでいっぱい。一人で20冊近く買っている人もいる。この店もあと3週間ぐらいで閉店か…。店内にPOPがあった11月10日発売の「HB」http://d.hatena.ne.jp/hbd/ の第2号が楽しみ。特集が「畠中恵理子一万字インタビュー『団地妻になりたかった』」。早く読みたい。
<神田伯剌西爾>http://brazil.nobody.jp/ に行き(ここも大混雑)、コーヒーを飲みながら、『佐藤泰志作品集』の折込付録を読む。岡崎武志さんhttp://d.hatena.ne.jp/okatake/ が『海炭市叙景』を朗読したときのことを書いている。私も、その場にいたが、あのときの部屋に張りつめた静謐な空気は何だったのだろう。作品の圧倒的な力と言ってしまえばそれまでだが。翌日、図書館に行き「すばる」のバックナンバーを探し、もう一度作品を味わったのを憶えている。
本文を読み始めようかとも思うが、心が虚弱な状態の今、読める自信もない。もう少し元気になってから読もう。
職場へ行き、明日の打合せの資料作成。ぎりぎりまで頑張って、高島平のお通夜会場へ。その後、再び職場に戻り、何とか資料を完成させる。
帰宅後、自宅のパソコンで作業。これは仕事ではないが、期限が切られているものなので、今夜中に仕上げなければならない。疲れているはずなのに、仕事ではなく、自分の好きなことをやっていると、全く苦にならない。当たり前といえば、当たり前。ただし、絶対的な睡眠不足のため、何度も睡魔と闘いながら仕上げる。
起きられる自信がないので、携帯の目覚ましのメロディ音を最大にしてから、ベッドに入る。
岡崎武志『古本病のかかり方』(筑摩書房)を読了。表紙の装丁は石丸澄子さんの「古本病」処方の薬袋だが、この薬、効いた。読んでる間は周囲の嫌なことを忘れられて、この間だけは古本の世界に没頭できた。荻原魚雷さんの解説のタイトルは「古本病のこじらせ方」。私など、まだこじらせるところまでいかなくて、軽症だと思うが、古本病を発病したのは、明らかに岡崎さんの諸作の影響がある。もちろん、もらって嬉しい病気だと思っている。
- 作者: 岡崎武志
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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「外、行く?」
ちらし拡大画像→http://f.hatena.ne.jp/wamezo/20071008182850
もっと詳細情報→http://ouraiza.exblog.jp/
約25名参加、往来座の外壁にズラリ2000冊! 雑貨、ガラクタも販売。包丁研ぎの実演もあり。
■日時
11月3日(土)〜4日(日) 3日⇒11:00〜20:00(往来座も同様) 4日⇒11:00〜17:00(往来座は22:00まで)
■雨天決行(一部店内に移動します)
■会場
古書往来座 外スペース(池袋ジュンク堂から徒歩5分)東京都豊島区南池袋3丁目8-1ニックハイム南池袋1階
http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/
▼メインゲスト
藤井書店(吉祥寺)
百年(吉祥寺)http://www.100hyakunen.com/
バサラブックス(吉祥寺)http://basarabook.blog.shinobi.jp/
▼スペシャルゲスト
嫌記箱(塩山芳明)http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/
ハルミン古書センター(浅生ハルミン)http://kikitodd.exblog.jp/
文壇高円寺(荻原魚雷) http://gyorai.blogspot.com/
伴健人商店(晩鮭亭)http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/
ふぉっくす舎 http://d.hatena.ne.jp/foxsya/
不思議(はてな・千駄木)http://higishi.seesaa.net/
やまねこ書店 http://yamaneko-bookstore.com/modules/shop/
他、お客様オールスターズ(朝/Y‘s/おんじょろ)
▼わめぞオールスターズ
古書往来座(雑司が谷)http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/
古書現世(早稲田)http://d.hatena.ne.jp/sedoro/
立石書店(早稲田)http://d.hatena.ne.jp/tate-ishi/
m.r.factory(武藤良子)http://www.toshima.ne.jp/~mryoko/
旅猫雑貨店(雑司が谷)http://www.tabineko.jp/
リコシェ(雑司が谷)http://www.ricochet-books.net/
kika zakka(ベトナム雑貨・雑司が谷)http://kikazakka.seesaa.net/
ブックギャラリーポポタム(目白)http://popotame.m78.com/shop/
貝の小鳥 http://www.asahi-net.or.jp/~sf2a-iin/92.html
琉璃屋コレクション(目白) 版画製作・展覧会企画
ぶくぶっくす(「buku」・池袋)http://www.c-buku.net/
退屈男(名誉わめぞ民)http://taikutujin.exblog.jp/
▼「本」だけじゃないのです!
刃研ぎ堂(包丁研ぎ) http://www1.tcn-catv.ne.jp/kai555/
古陶・古美術 上り屋敷(会場では特選ガラクタを販売)
http://www.wakahara.com/agariyashiki/
オグラ(手廻しオルガンミュージシャン・雑貨、小物販売)
http://www.lilyfranky.com/reg02/
こまものや(小物(バッヂ、コースターなど)販売)
■主催・古書往来座
■協賛・わめぞ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/