七夕の「外市」初日

foxsya2007-07-07

七夕の「外市」初日。10時前に、会場である池袋の<古書 往来座http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/ に到着。棚に本を入れる作業を行う。今回、初登場、『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)の塩山芳明さんhttp://www.linkclub.or.jp/~mangaya/ も、「嫌記箱」にせっせと本を詰めている。硬派な本とエロ漫画の詰め合わせといった感じ(新宿ゴールデン街フリーマーケットで売上好調だった配分)。開店を待つ人がちらほら現れる。一時的にブルーのビニールシートで本を隠して開店を待つ。

その頃、<往来座>の入口では、こんなことがあったそうな。今回、出品している<白水社http://www.hakusuisha.co.jp/ のKさんが店に入ろうとすると、「11時からの開店です」と<往来座>の、ある方(特に名を秘す)に入店を断られた。Kさんが、出品者であることを告げると、ある方曰く「ごめんなさい。『外市』関係者に、こんな綺麗な方いるわけないと思って」。おいおい…(伝聞で聞いた話なので、ニュアンス違っていたら、すみません)。

開店と同時に棚にとりつく人、人、人…。今回も出足快調である。11時から退屈君http://taikutujin.exblog.jp/ と販売係をやるが、20分ぐらいが過ぎ、お客さんが棚を一通り見終わっただろう頃合いには、レジに列ができる。一人一人のお買い上げの量も半端でないので、嬉しい悲鳴。レジを打つ<立石書店http://d.hatena.ne.jp/tate-ishi/ の岡島さんも「前回より少しいいかも」とつぶやく。

昼は、塩山さんに誘われ、近くの<硯屋>でうどん。塩山さんから日本映画の話をいろいろ聞く。塩山さんの映画の話は面白い。南陀楼さんhttp://d.hatena.ne.jp/kawasusu/ が編集中の塩山さんの映画本の完成が楽しみだ(実際には映画だけの内容ではなく、書評なども含んだバラエティ・ブックらしい)。今、一番の注目監督は山下敦弘だという。<硯屋>の麺は塩山さんのお気に召さなかったよう。

往来座>に戻ってから、塩山さんは、今度は、朝さんと映画談義。「映画論叢」に載っている木下恵介についての三上真一郎のエッセイ(インタビュー?)が面白いという話を聞いて、朝さんは、<ジュンク堂>に買いに向かう。

今回のゲスト、<善行堂>の山本善行さんhttp://d.hatena.ne.jp/zenkoh/ が、岡崎武志さんhttp://d.hatena.ne.jp/okatake/と共に登場。少し話しただけだが、飾らない人柄はブログそのままな印象を受ける。塩山さんは「あんなダンディな人だったのか、油が抜けきって、もてそうな感じだ」などと、ぶつぶつ…。ぶつぶつ言いながらも著書にしっかりとサインをもらっていた(今月号の「en-taxi」で荻原魚雷さんhttp://gyorai.blogspot.com/ の「古本暮らし」について、あんなことを書いておきながら、しっかり、魚雷さんにサインをもらっているし、塩山さんらしいといえば、塩山さんらしいのだが…。一種の芸風と言っていいのだろうか)

軽井沢で古本屋を営む<追分コロニー>http://www11.plala.or.jp/colony/index.html のSさんがやってきて、先日放映の内澤旬子さんhttp://d.hatena.ne.jp/halohalo7676/ の「情熱大陸」を焼いたDVDをくれる。「外市」メンバーの間では、視聴率が限りなく100%に近い、この番組を見逃していた。本当に嬉しい。Sさん、ありがとうございます。今月中にはお店を訪れるつもり。

人がまばらなときも少しあったが、お客は切れずに閉店の8時を迎えた。販売したときに<ふぉっくす舎>のスリップも何枚か抜いたし、棚の空き具合を見ても、前回よりも売れているようだ。目標の10,000円を何とかクリアできるだろうか。

外市」用の本をしばり、什器とともに仕舞うなど、閉店作業が約1時間。チームワークよく作業が進む。古本屋は怠け者には務まらない仕事と感じる(この店の外の均一棚の量が半端でないせいもあるが)。

塩山さん、晩鮭亭さんhttp://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/ 、退屈君、向井さんhttp://d.hatena.ne.jp/sedoro/ 、岡島さんらと<白木屋>にて、初日の打ち上げ。久しぶりに学生が行くような居酒屋に行ったが、すぐキレそうな若者が多く(主観ですが)、なかなか怖い客層で、塩山さんは密かにびびっていたらしい。

しかも、客に対して、従業員の数が大いに不足していて、オーダーできないし、オーダーしたものは来ないわで、落ち着かないこと甚だしい。

それでも、塩山さんは絶好調で喋りまくる。エロ漫画が新宿と勝手が違い、全く売れず、売上が悪いと奥さんに叱られるので、明日は硬派路線に変更するとのこと。塩山さんの喋りに負けちゃいけないと思ったわけではないが、ある身内の話をすると、予想よりも受けて、向井さんなど、おなかを抱えて爆笑している。ここまで受けるとは思わなかった。

塩山さんからは「そんな親父だから、あんたはしっかりせざるをえないんだな」と言われる。しっかりしていると思われていたらしい。

英気を養って、2日目に備える面々だった。

帰宅後、補充用に10冊ぐらい値付けをしてから、「情熱大陸」を見る。いい番組だった。もちろん内澤さん中心だが、南陀楼さんに興味を持った視聴者も多いのではないか。最後の「鼻水」がやっぱりいいなあ。


販売などの合間に本日買った収穫本。

池谷伊佐夫『東京古書店グラフィティ』(東京書籍)
半村良『下町探偵局』(潮出版
丸谷才一編『ポケットの中の本 机の本』(新潮社)
伊藤昭久『チリ交列伝―古新聞・古雑誌、そして古本』(ちくま文庫
森まゆみ『寺暮らし』(集英社文庫
色川武大『引越貧乏』(新潮社)
奥武則『論壇の戦後史 1945-1970』(平凡社新書
藤本義一『生きいそぎの記』(講談社文庫)
山口瞳『わが町』(新潮文庫
夜久 弘『「COMICばく」とつげ義春−もうひとつのマンガ史』(福武書店
西岡研介『スキャンダルを追え!『噂の真相』トップ屋稼業』(講談社
杉浦明平『カワハギの肝』(光文社文庫
荻昌弘『男のだいどこ』(光文社文庫


藤田雅矢『ひみつの植物』(WAVE出版)を読了。表紙の植物をはじめとする、不思議な形や性質をした植物が日本でも手に入るのは、インターネットの発達も原因なんだろう。いくつか育ててたいのがあった。昆虫や鳥が授粉するのは、小学生の理科レベルの常識だろうが、中南米には、コウモリが授粉する植物があり、もちろん、これは日本では育たないという。

ひみつの植物

ひみつの植物