140メートルの本棚

foxsya2007-04-03

昼休みに、建築家のSさんとアシスタントのSさんと打合せ。私が身動きが取れる状況にないので、昼休みに職場の食堂まで来てくれた。

今月末には施工会社を決めるための見積合わせを行うとのこと。見積りに使う実施設計を受け取る。見積額によっては、この設計にプラスマイナスの調整が入る。プラスよりマイナス(何かを削る)のほうが可能性は高そう。

1階が両親世帯で、2・3階が私という完全分離の2世帯住宅だが、2・3階は、本の収納に特化した建物になっている。建築家も面白がって設計してくれた。2、3階が吹き抜けになり、壁面が全て本棚になっていて、3階部分の本はキャットウォークから出し入れできるようになっている。その他にも、いたる所に本棚があり、建築家がつけた家の名前が「本の栖(すみか)」である。

永江朗さんの『狭くて小さいたのしい家』(原書房)によると、本の収納量は本棚の長さで考え、合計50メートルの棚を作ってもらったという(書店でも、収納量をよくそういうふうに表しているはず)。

設計図から、この「本の栖(すみか)」の本棚の長さを測ってみると、約140メートルだった。どのぐらいの規模の大きさの書店の棚を想像すればいいだろうか。

以前、テレビの「大改造 ビフォアー・アフター」で、本の収納に困っている夫婦に、匠が示した回答が床下収納だったことがある。これには、本好きの視聴者はかなりがっかりしたのではないだろうか。

そんな収納にはしたくないので、今回のような贅沢な設計になった。このような家を建てられる自分は幸せだと思う。ただ、まだ、金策がきっちりと立っているわけではないのが、不安といえば不安。

松浦弥太郎『本業失格』(集英社文庫を読了。松浦氏が「暮らしの手帖」編集長になって、2号が発行された。周囲の評を聞くと、賛否両論といったところか。ただ、何か「停滞」していたイメージだった雑誌が「動き出した」ことは確か。それを象徴する出来事かどうかわからないが、沢木耕太郎の映画エッセイが最新号をもって終了。沢木氏曰く。この雑誌がなくなるか、自分が死ぬまで、この連載を続けたかった。だが、編集方針の違いにより、打ち切られた。残念だとのこと。う〜ん。

本業失格 (集英社文庫)

本業失格 (集英社文庫)