私の一番長い桃の節句の日

仕事を午後1時で終え、水道橋から新小岩に向かう。新小岩からバスで20分の<江戸川区中央図書館>に行くのだが、午後2時の開演に間に合わないので、タクシーを利用。

5分前に到着。「世界 古本ぶらり旅〜足でネットで「あの本」と出会おう〜」と題された南陀楼綾繁さんhttp://d.hatena.ne.jp/kawasusu/ の講演。

プロジェクターで、世界の古本屋さんや古本市の様子を映し、実物の本やマッチラベルの貼り込み帳を見せながらの楽しい2時間。

南陀楼さんのブログでもときどき触れられているが、高校の文化祭の古本市という、私にとって未知の世界に魅かれるものがある。今年の秋にはいくつかの高校を訪れてみようか。珍しいものがあるのは稀だろうが、南陀楼さんは、高校の文化祭で、瀬田貞二の、いわゆる「饅頭本」を50円で手に入れたこともあるという。

講演も良かったが、この図書館の頑張りにも少し驚いた。会場の客席の後ろに所蔵本が展示されていたのだが、これが南陀楼さんの『路上派遊書日記』(右文書院)の文中に出てくる本を集めたもの。文中に出てくる本は、もちろん、もっと多いのだが、ここに展示されているのは200冊ぐらいだろうか。眺めているだけで楽しい。

松村喜雄の『ふたりの乱歩』『江戸川乱歩殺人原稿』といったノベルズもあり、この図書館の蔵書の豊富さに少し驚いた(地域図書館にあまり足を運ばないのでわからないのだが、普通なのだろうか)。

講演終了後、手術をして、退院したばかりの南陀楼さんに、お加減を尋ねながら挨拶をすると、「こんなところまで来てたんだ。熱心ですね〜」と言われてしまった。

体力は、まだ完全に戻っていないが、術後は良好とのこと。

この後、高円寺の<古本酒場 コクテイル>へ向かう。3月14日まで、<コクテイル>では「絵本酒場 コクテイル」として、<古本 海ねこ>さんhttp://www.umi-neko.com/ の絵本が棚に並んでいる。

今日は午後5時から、「絵本酒場 コクテイル」の関連イベントで、「収集家 VS 古本屋─本とレコードと懲りない面々」と題した、編集者・収集家の 沼辺信一さんと<古書 音羽館>店主の広瀬洋一さんのトークショー

西荻窪の<古書 音羽館>は、大好きなお店。レジで、一言二言、言葉を交わすことはあっても、広瀬さんの話をじっくり聞いたことはなかったので、楽しみに駆け付けた。

まず、沼辺さんが、<音羽館>が、どんなに素晴らしい店か、今日の収穫を紹介しながら解説。このトークショーの前に、沼辺さんは<音羽館>に行ってきたのだ。

デボラ・モガー 『チューリップ熱』にはじまる12冊は、確かに素晴らしいラインアップ。ラインアップは沼辺さんのブログを参照のこと。 http://numabe.exblog.jp/d2007-03-03

沼辺さんは、石井桃子さんが編集した井伏鱒二訳の『ドリトル先生アフリカゆき』(白林少年館)を3,000円で買ったエピソードを紹介しながら、「自分の店がすごい安い値をつけてるって自覚はあるの?」と聞くと、広瀬さんは「もちろん、あります。値段についてはかなり意識しています」とのこと。自分も、<音羽館>では、何ども値付けに驚きつつ、いい買い物をさせてもらったこと多数。

「<音羽館>では、CDも売ってるよね」という沼辺さんのコメントがきっかけで、話は音楽の話中心に。お二人が持ち寄ったショスターコビッチの「tea for two」や大貫妙子のCDを聴きながら。

音楽の話が盛り上がると、広瀬さんが「こんなに音楽の話ばかりでいいんですかね」と投げかけると、沼辺さんが、すかさず「本が好きで、音楽が嫌いな人は滅多にいません!」と応える。なるほど。

最初は、大貫妙子などもお店で流していたが、ある日、銭湯で、見知らぬ人から「お店で大貫妙子流してますよね」と言われて以来、店内で邦楽を流すのをやめたとのこと。何となくわかるような気がする。

予定の7時を過ぎても、トークは盛り上がり、終わる気配がない。この後、下北沢で加藤千晶さんhttp://donutfilms.jp/chiaki/ のライブがあるので、トークの途中だが、失礼して、吉祥寺経由で下北沢に向かうことにする。

高円寺文庫センター>に寄ると、武富健治鈴木先生』(双葉社)の1巻と2巻が平積みになっていた。漫画好きの間で、かなり話題になっていて、年末に何軒かの書店で探したが見つからなかった。2巻の発売と同時に1巻も増刷したのだろう。帯に各種の年間コミックランキングランクインの記述あり。1巻を買い、中央線へ。
吉祥寺から下北沢に向かう井の頭線で『鈴木先生』を読む。一読、びっくり。これは傑作だ。話題になるのがわかる。学校の先生を主人公にした漫画は数多くあるが、類がないようなオリジナリティを感じる。2巻を一緒に買っておけばよかったと悔やむ。

加藤千晶さんhttp://donutfilms.jp/chiaki/ のライブの会場は、下北沢の<lete>http://www.h7.dion.ne.jp/~lete/index.html 。王将の先を右に入ってすぐ。

開演時間に少し遅れて入ると、田所せいじさんがギターをつまびきながら、歌っていた。

この<lete>というお店に来るのは初めて。収容人数は20人がめいっぱいの小さな空間だが、小屋のような趣がとても素敵だ。ライブがないときでも、こんな空間でお酒を飲んだら、良味も増すだろう。

田所さんの歌はとてもいい感じ。力が入っていない脱力モードの歌声。歌詞もお酒や酒飲みな人間を歌ったものばかり。恋の歌かと思いきや、やっぱり、最後は酒なのかというふうで、本人のお酒への愛が伝わってくる。

加藤千晶さん目当てだったが、こういうふうに未知の魅力的なアーティストに出会えるのもいいものだ。定期的に高円寺の<円盤>http://www.enban.org/ に出演しているとアナウンスがあった。

田所さんのライブが終わり、いよいよ、加藤千晶さん登場。今回は、バックはつかず、エレピだけの弾き語り。これからは、こういった形式のライブも、やっていきたいとのこと。

「煙草とキッス」「南雲通り交差点」など、1st、2ndアルバムからの曲や3rdの「おせっかいカレンダー」からの「夜のバス」「マカロニスコープ」など、楽しくライブは進んでいく。彼女の歌には、嫌なことを忘れさせてくれる力があると、今更ながら実感。CDで聞くのもいいが、一度、ライブを味わうと、やみつきになる。明らかに中毒性がある。

最後は田所さんとのコラボ。加藤さんのエレピで、田所さんが「カミナリ食堂」をけだるく歌いあげたり、演歌をデュエットして(誰の何という曲だったか)、ライブは終了。

アンコールがかかって、加藤さんが再登場したが、「アンコールのこと、本当に考えてなかったので…」ということで、真剣に悩む。一度は決めて、演奏開始直前に「やっぱり無理だ!」となったりして、結局、「だるまさんがころんだ」に決まる。

これは、とても楽しい曲で、子供が(大人も)喜びそうな曲。気に入った。同じような傾向の曲を集めて、アルバムを作ってくれないだろうか。

下北沢駅まで歩きながら、ふと「だるまさんがころんだ」を口ずさんでしまう。次のライブは今月末の<mandara-2>。平日なので、行くのは無理。残念。

移動に忙しく、昼食をとる時間がなかったので、空腹。経堂まで行き<楽屋(ささや)>で夕食。
このお店のご夫婦も、加藤千晶さんファンなので、ライブ帰りと言うと、羨ましがられる。のらぼう菜と豚肉の蒸し物、牡蠣のオイル漬け、ごはんをいただく。豚肉はのらぼう菜で包み、大根おろしと、アクセントのかんずりを少し乗せて、ポン酢で食べると、ものすごく美味しい。ごはんが進む。

音楽も、さりげなく、加藤さんの「おせっかいカレンダー」に、いつの間にか変わっている。美味しい食事に、ご機嫌な音楽。幸せな気持で、夜は更けていく…。

///////////////////////////////////////////////////////
★イベントをやります。多くの方の参加をお待ちしています。
///////////////////////////////////////////////////////
<ふぉっくす舎><食堂 アンチへブリンガン>共催
猿楽町食堂学校 1時限目
4月22日(日)午後3時30分〜5時30分(開場 午後3時)
「日本一の病院マニア」は見た! 体当たり爆笑病院放浪記 『ワガママな病人vsつかえない医者』(文春文庫PLUS)刊行記念
和田靜香バラエティ・トークショー「病気と音楽と相撲のはなし…あと農業も!」 チャージ 1000円+1ドリンク以上オーダー
定員25名
会場 <食堂 アンチヘブリンガン>千代田区猿楽町2-7-11ハマダビルヂング2階(水道橋駅徒歩5分・神保町駅徒歩10分)03-5280-6678
トーク終了後、午後7時30分まで、店内で引き続き飲食できます
参加希望の方はメールでご予約ください。「トークショー参加希望」と件名に記入のうえ、<ふぉっくす舎> negitet@yahoo.co.jp まで。 1.お名前 2.人数 3.お電話番号(念のため) を必ずご記載ください
和田靜香さんプロフィール:千葉県市川市生まれ、静岡県沼津市育ちの音楽評論家。音楽評論家/作詞家の湯川れい子さんのアシスタントを経て独立。ひこぽん〜和田靜香のコラム〜病院ウオッチングと洋楽こぼれ話。→http://homepage3.nifty.com/hypochon/