大人の遠足
一昨日の土曜日は、仕事帰りに<代田橋 大勝軒>に寄る。家の近くにこのような店がある幸せ。ふらふらと吸い寄せられてしまう。
「ビッグコミックスピリッツ」のバックナンバーがあったので、「日本沈没」の「東京大震災」場面の何号かを読む。すごい迫力のスペクタクルシーンの連続。火炎旋風などの現象を含め、関東大震災を再現しているにすぎないのだが、当時より、車などの火種が増え、高層ビルのガラスなどの凶器も増えている。
映画のリメイク版でも、これくらいのことはできたのに、スペクタクル部分を抑えたのはもったいない。今回のリメイク対決(勝手に対決にしているが)は、圧倒的にコミックの勝ちだ。
昨日は、「大人の遠足」(社会科見学?)で、武蔵小金井の<江戸東京たてもの園>http://www.tatemonoen.jp/ へ。
水道橋・猿楽町の<アンチヘブリンガン>のO夫妻が、「お客さんから、西荻の<のらぼう>ってお店が美味しいってよく聞くんだけど、知ってる?」と聞かれた。そこで、<のらぼう>に予約をいれて、一緒に行くことにしたのだが、大好きな<江戸東京たてもの園>も案内することにしたのだ。
<江戸東京たてもの園>では、大いに楽しむ。高橋是清邸の暗殺が行われた部屋で、しばし、2.26事件の話になり、お店でのちょっとした企画を話し合う。※写真は常盤台にあった写真館(昭和初期)
駅から<のらぼう>へ行く途中の<古書 音羽館>に寄って、小沼丹『椋鳥日記』(講談社文芸文庫)など何冊か買う。O夫妻も、後藤明生、姫野カオルコなど。
<のらぼう>で何種類の料理を食べただろうか。皆、「美味しい、美味しい」といい、箸を動かす手が止まらない(もちろん、お酒もいっぱい飲んだが)。<のらぼう>の料理には、O夫妻も大いに刺激を受けたとのこと。お店の料理にもしかしたら影響があるかも。
その後は、浜田山の<南国食堂 ぶら>に案内。自分が好きな店に次々と人を連れていきたくなる悪い癖が出た。ここでも、お店のオーナーとお店作りについて語り合い、O夫妻は刺激を受けた様子。
<江戸東京たてもの園><古書 音羽館><のらぼう><南国食堂 ぶら>、全て素晴らしいスポットで、楽しかったと言っていただき、紹介者冥利につきる。
楽しい「大人の遠足」は、これにて終了。
本日、仕事帰りの電車の中で、芥川賞候補作の田中慎弥「図書準備室」を読了。引きこもり男の独白から成る不思議な作品。好きな人嫌いな人両極端に分かれそう(もちろん選考委員も)。思いもよらない展開を楽しめたが、前半がもう少し面白ければ(冗長)。
以前、北尾トロさんhttp://www.vinet.or.jp/~toro/ たちから、構想については聞いていたのだが、「日本にもヘイ・オン・ワイのような本の町をつくる」という計画が本格的に始動したようで、ブログができている。準備が本当に大変だろうし、実現までは困難もあるだろうが、楽しみな試みだ。 http://blog.goo.ne.jp/booktown_2007
それに伴い、西荻の<ハートランド>http://www.heartland-books.com/ が、店を引き継いで借りてくれる人を募集している。素敵な本棚や什器もある。実店舗を計画している人は注目では。
石田千『屋上がえり』(筑摩書房)を読了。技巧を凝らしているような文章なのに、ずばっとストレートなところもある(特に「毒」を含んだ部分)。不思議な文章(もちろん褒め言葉)で、石田千さんの文章を読むと、いつも、他の人と、まったく重なり合わない、独自の文章だと思う。そんなことを考えるのは、もちろん読み終わってからで、読んでいる間は、石田千ワールドに引き込まれている。読み終わって、後悔した。一部分でもいいから、どこか、屋上にあがって読むんだった。
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