楽しい夜にすっころぶ

アジア新聞屋台村

アジア新聞屋台村

昨日、映画館のロビーで読み進めていた、高野秀行『アジア新聞屋台村』(集英社を読了。東京でミニコミを制作するアジアの人たちが魅力的で一気読み。彼らに翻弄されるタカノ青年の姿も楽しい。初めての小説という触れ込み(著者がいくつかのミニコミで経験した出来事を合体させた)だが、小説かノンフィクションかなどという括りは気にせず面白く読める。読後感は『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)に近いか。

今夜は飲み会。友人の片野ゆかさんが『愛犬王 平岩米吉伝』(小学館)で「小学館ノンフィクション大賞」を受賞した話は以前、書いた。本日は、その片野さんからのお誘い。旦那さんも一緒に来るという。

浜田山の<南国食堂 ぶら>で待ち合わせ。旦那さんには「小学館ノンフィクション大賞」の授賞式のときにお会いしているが、お酒を飲むのは初めて。生ビールを飲みながら、「『アジア新聞屋台村』面白かったです」と旦那さんに伝える。そう、片野さんの旦那さんは、辺境ライターの高野秀行さんなのだ。

片野さんの『愛犬王 平岩米吉伝』、高野さんの『ワセダ青春三畳記』『幻獣ムベンベを追え』『巨流アマゾンを遡れ』(集英社文庫)が、それぞれ増刷が決まったこともあり、お祝いの宴(?)となった。次々と増刷が決まるなか、高野さんの代表作とも言える『ビルマ・アヘン王国潜入記』(草思社)は品切れのままで、アマゾンのユーズドでは、8,000円で売られていたという。私は持っているが、まだ読んでいないので、近いうちに読もう。

本の話を中心に飲んだ。高野さんから「ブログときどき見てるけど、読書量すごいですね」と言われるが、話をしていると、とても高野さんの読書量にかなわないのがわかる。いろいろなジャンルを幅広く読んでいる。小学生のときのホームズから始まり、ミステリーも好きとのことだが、ディスクン・カーなどを読む、正当な本格ミステリーファンのようだ。

木村元彦オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える』(集英社インターナショナル)が面白かったという話も聞いたが、今、注目している作家は中島京子さんだという。未読だが、面白そうなので読んでみたい。

野球好きで巨人ファンなため、片野さん曰く「機嫌が悪い日が続いている」とのこと。確かに巨人ファンにはつらい日々だ。

楽しくて、つい焼酎のロックを飲みすぎてしまい、酔っ払う。酔っ払いついでに、「今日の飲み会のこと、ブログに書いていいですか」と訊くと、快諾してもらい、『アジア新聞屋台村』に署名を頼むと、こちらも快諾してもらう。酔うと図々しくなる。

三人とも自転車だったのだが、一人で思い切り、すっころび、迷惑をかけた。初めて飲む人に見せていい醜態じゃないよな。反省・・・しつつも楽しい夜だった。

高野さんの新連載が「小説すばる」で始まっている。インドの怪魚「ウモッカ」を探す旅を描く「怪魚ウモッカ格闘記」。ムベンベ、中国の野人に続く、未知生物探索の旅も楽しいものになりそうだ。