わたしのグランマ

一週遅れの母の日ということで、親戚が15人ほど、わが家に集まる。母の日といっても、主役は父方の私にとってのグランドマザーである。96years old。

祖母は現在、栃木県の那須高原在住。約10年前に、急に「大好きな那須で死にたい。那須に家を建てて一人で住む」と宣言。周囲は反対したが「85年間、一度もわがまま言わずに生きてきた。最期に一度だけわがまま言わせて」という最終兵器のような科白で周囲は説得された(祖母のしてきた苦労を、皆知っていたからだろう)。

こつこつ年金(?)を貯めてきたという、財力にも驚いた。その後、本当に土地を買い、家を建て、一人で住み、今に至る。ただし、3年ほど前に病気になり、それから私の両親、おじ、おばたちが交代で那須に行き、祖母の面倒を見ている。口で言うほど、簡単なことではなく、面倒を見に行っているほうはなかなか大変だと思う。しかし、介護ヘルパーさんの「おばあちゃん、幸せね。こんなふうに、皆が入れ替わり立ち替わり来てくれるなんて」という言葉に、祖母は「そうですかね。私は、これが当たり前だと思っちゃうんですけど」と答えたというから、素直というか憎めないというか。

私の母も「那須の家から帰ってくるときに、面倒を見に行ったはずなのに、『お世話になりました』って言って帰ってきてるんだけど、なんかそれが自然なのよね」と語っている。

最近は、祖母の体調も安定してきたので、祖母の「最期に、私がおじいちゃんと建てた家が見たい」という要望で、今日の会が催されることになった次第(「最後に」は口癖)。

祖母と会うと、「あんたが結婚しないうちは、私は死ねない。だから早く結婚しておくれよ」と必ず言われるのには、困る(はい、私、いい歳して独身です)。毎回、「じゃあ、死なないでいいじゃない」と返すパターンなのだが、「愛なんていうのはね、最初からあるものじゃないの。二人で作り上げていくものなのよ」なんて科白を96歳のおばあさんに言われるとむずがゆくなる。

「まだまだ、おばあちゃんは長生きする。我々のほうが早く死にそう」という、両親とおじ、おばのいつもの締めで会はお開きになる。

梅田望夫ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』(ちくま新書を読了。今更なのだろうが、GOOGLEとは、こんな企業だったのかと驚く。そして「こっち」から「あっち」で作業するようになりつつあるコンピュータの世界が確認できた。うちの職場では、5年リースでPCを更新している。更新に際しては、クライアントを含めたネットワークのシステムも5年先を充分に見据えて考えていかなければならないということか(「こっち」で作業する必要がなくなれば、クライアントやシステムに求められるものは大きく変化するだろう)。だが、この本を読んでわかるのは、コンピュータの世界は2,3年後さえも、全く予想もつかないということでもあったりする。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)