「桜の王冠」を見逃す

職場の窓から見下ろす感じで<小石川植物園>が見える。桜の時期は、植物園全体が大きな「桜の王冠」をかぶったように見え、美しい。毎年、その景観を見るのを楽しみにしている。今年は、窓の外を見るのを忘れていた。今日、見たが、桜のボリュームがもう少なくなっていてがっかり…。一年に一度の楽しみだったのだが。

ちなみに、「桜の王冠をかぶったよう」という表現は、吉田秋生桜の園』(白泉社文庫)に出てきた表現だと思う。初めて、「桜の王冠」の小石川植物園の景観を見たときに、この漫画の一シーンが頭に浮かんできた。この景観にぴったりの表現だと思った。

土曜日になると、さすがに疲労がたまっている。仕事は残っていて、月曜日に先延ばしにするのは、よくないのだが、明日は野球の試合もあるので、10時に仕事を終える。

千駄木の<古書 ほうろう>http://www.yanesen.net/horo/ へ向かう。バスが来る気配があったら、バスに乗ろうと歩き出す。バス停を通り過ぎるたびに、バスが何停留所前に到着しているか確認するが、一つ前に来ていると確認できたのは、<古書 ほうろう>のすぐ前の停留所だった。健康のためにはよかったか。

<古書 ほうろう>で、できたてほやほやの「不忍ブックストリートマップ」http://sbs.yanesen.org/map/ をもらう。「ぐるり 4月号」http://homepage1.nifty.com/vpress/mggrr.html 399円、上原隆『喜びは悲しみのあとに』(幻冬舎文庫)100円を買う。

帰りは日暮里まで歩いて、山手線で新宿まで出て帰宅。

片野ゆか『愛犬王 平岩米吉伝』(小学館を読了。こういった人物評伝ものは、魅力ある人物を見つけた時点で面白い作品になるかが決まるようなところが当然ある。この平岩米吉という人は、自宅で、狼やジャッカルを飼い、銀座での買い物に狼を連れて歩く、愛犬の手術を自宅で行わせるなど、面白いエピソードをたくさん持っている。小学館ノンフィクション大賞応募時のタイトル『昭和犬奇人』がぴったりくる「奇人」であることにはかわりないが、本質は非常に真面目な情熱の人である。

作品に仕上げるまでの苦労を、著者から直接聞いているので、作品に対する冷静な判断をくだせないところもある。お読みいただいた方で感想等があれば、著者に伝えるのでお知らせください。「批判も真摯な気持で受け止める」とのこと。

愛犬王 平岩米吉伝

愛犬王 平岩米吉伝