conversation piece

小さい頃からよく風邪をひく子だった。中学のときには肺炎に2回罹った。

今でも年に一度、冬には風邪で寝込み、咳が一ヶ月以上続くのが普通だ。

それが今冬は風邪をひかずに頑張ってきた。仕事が立て込んでいて、風邪で休んだりしては、周囲に迷惑をかけるし、後で自分が苦労するので、うがい、手洗いをしつこいくらいにするなど気を張ってきた成果だろうか。

それが、とうとう先々週の日曜日に、発病してしまった。寝ていると、深夜に寒くて目が覚めた。すごい寒気…同時に気分が悪くなり、トイレに行き嘔吐、そして下痢…。朝までこれが続く。

翌日、仕事を定時にあがり、病院へ行く。インフルエンザではないとのことだが、点滴を打たれた。20分ぐらいかかるという。本を読んでいてもいいと言うので、本を読みながら点滴を受けていたのだが、猛烈に痛くなった。助手の女医さんに訴えると、「ごめんなさいね。このお薬は血管が痛くなるの」だって。

確かに寒い日が続いていた。前日の土曜日に仕事が早めに終わったので、池袋から東上線に乗り、常盤台の<古本 ふくろうの森>に行ったときも、駅から店まで歩く間に凍えるような寒さだった。この古本屋さんは退屈男さんのページ http://taikutujin.exblog.jp/ で知った。

狭いながらも、品揃えはいい。値段の折り合いさえつけば、買いたいものは他にもあったが、買ったのは萩原修『9坪の家』(広済堂出版)100円、大島渚大島渚 1960』(青土社)1,200円、田沼雄一『映画を旅する』(小学館ライブラリー)400円、『東京人 1998年10月号』350円。『東京人』は神保町特集号。最近『荷風』『一個人』の神保町特集号も買ったが、やはり『東京人』のほうが読みでがある。雑誌の性格が違うといってしまえばそれまでだが。

この店がいいのは4分の1ぐらいが児童書の棚なのだが、そこにベンチが置かれているところ。訪ねたときも小学校低学年ぐらいの男の子がベンチに座って本を読んでいた。やがて、男の子は店主の方に「また来るね〜」と言って、帰っていった。とても暖かい雰囲気に満ちたいいお店だった。

現在、風邪のほうは、何とか治ったが、早く暖かくなってほしいものだ。

保坂和志『カンバセーション・ピース』(新潮社)を読んだ。帯に「著者の最高傑作」のようなことが書いてあるが、自分にとっては『プレーンソング』『猫に時間の流れる』といった作品のほうが面白い。たまたま、他の本を読んでいたら、conversation pieceという単語が出てきた。18世紀にイギリスで多く描かれた家族団欒の絵のことで、美術用語のようだ。ヴィスコンティの『家族の肖像』の英語タイトルもconversation pieceだという。