ジャマイカのお寿司屋さん

夕方、浜田山まで出かける。行きつけのお店「南国食堂 ブラ」の店員のタカミツ君がジャマイカの寿司屋で働くことになり、明日でお店を辞めるということで、しばしのお別れを言いに行く。

お店のそばの<ブックオフ>に寄り、井上靖・選 日本ペンクラブ編『十字路の残照』(集英社文庫)105円を買う。「旅と人」がテーマのアンソロジー木山捷平上林暁庄野潤三という作家の未読の短編が収録されている。

タカミツ君は数ヶ月前にジャマイカに旅行に行ったことがきっかけで今度の渡ジャマ(?)寿司屋修行が決まった。そういえば、1年以上前に、「食に関する本で面白い本はないですか?」というので、すぐ前の<ブックオフ>で、佐川芳枝『寿司屋のかみさんうちあけ話』(講談社文庫)を買ってプレゼントしたこともあった(105円ですが)。

美味しい料理を堪能して、帰路につく。コーヒーが飲みたくなったので、代田橋の<CHUBBY>http://www.franx.jp/に寄る。「ここら辺には、夜、コーヒーが飲める店がない」と嘆いていたら、友人が、昨年秋にオープンしたこの店を紹介してくれた。お酒も食事もある雰囲気のいい店。ブックカフェではないが、食やお酒やデザインに関する本が少し置いてあり、読めるのは嬉しい。この日は今和次郎の『大東京案内(上下)』(ちくま文庫)がディスプレーしてあり、当時のカフェの様子を伝えるページに付箋がついていた。本好きのスタッフがいるのだろう。

帰宅して菊地敬一『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』(新風舎文庫)を読了。やっぱり本屋さんに関する本は面白い。この本は、きっちりビジネスの本にもなっているところにも特徴がある。「本が好き」なだけじゃ本屋という商売はやっていけないということが伝わってくる。しかし、著者は、この本で「好きなだけでやっていけるんだ!!」と叫んでいるようにも思える。わかりにくい表現になってしまったが、読んでもらえばニュアンスは伝わるだろうか。

3年後ぐらいに、さらに腕をあげたタカミツ君の料理が食べられるよう念じつつ、ベッドに入る。