『扉は閉ざされたまま』

「このミス」週間というわけではないのだが、国内2位の石持浅海『扉は閉ざされたまま』(ノン・ノベル)を通勤の電車で読む。結末目前で職場の最寄り駅に到着。

9時から夜中の2時過ぎまで仕事。自宅には帰らず、近くのカプセルホテルに泊まる。カプセルホテルの広いお風呂で『扉は閉ざされたまま』を読了。いわゆる閉ざされた山荘ものなのだが、舞台は成城のお屋敷という都会の真ん中。倒叙もので、警察が来る前、しかも死体が発見される前、そして事件が起きているかもはっきりしないうちに、事件が解決するという趣向が面白い。

犯人の動機が最後まで謎。かなり動機に近づいたのだが、これはわからなかった(与えられた手がかりを元に、全く違う動機を考えたのだけれど、既読の人に、その動機が成立するか聞いてみたい)。人によっては、この動機には納得しかねるという人がいるかもしれないが、作品の面白さは別のところにある。

最後の探偵役と犯人の「対決」と、その結末が面白かった。この著者を読むのは初めてだが、過去の作品も凝った趣向になっていそうなので、読んでみたい。『月の扉』(カッパ・ノベルス)というのが、過去に「このミス」にランクインしているようだ。

3時過ぎにカプセルで就寝。翌朝、7時半に起床し、職場へ向かう。今日の帰りも遅くなりそうだ。