『容疑者Xの献身』

とにかく忙しい。寝る以外は全て仕事をしている感じ。といっても、通勤電車で読書はしています。そんなわけで、ブログの更新も滞りがち。じゃあ、10分の時間も作り出せないのかというと、きっとそんなことはないだろう。ブログのほうも、少しずつペースを取り戻していこう。

『このミステリーがすごい 2006年版』(宝島社)で、国内1位になった東野圭吾容疑者Xの献身』(文藝春秋)を読んだ。東野圭吾を読むのは『白夜行』(集英社文庫)以来か。

確かに1位になるだけのことはある。変化球なしの直球のシンプルな本格推理だ。メインのトリックには、すぐ気づいてしまった(主人公たちが、核心の部分に触れすぎる。それだけ、フェアだといえばフェアなのだろう)が、面白さを減じるものではない。メインのトリック以外の容疑者X(作者)が仕掛けた小技や登場人物の心理面に対するミス・ディレクションに関心した。これ以上は書けないが、既読の人と、こっそり語り合いたい。

その他に最近読んだものは、憶えている範囲では、星新一『人民は弱し官吏は強し』(新潮文庫)、高木徹『大仏破壊 バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか』(文藝春秋)、ジェフリー・ディーヴァー『獣たちの庭園』(文春文庫)。『獣たちの庭園』は、「このミス」海外5位だった。リンカーン・ライムシリーズほどの大技はないが、相変わらずのリーダビリティだ。