飛行機でびびりつつ『古本生活五十年』

5時30分に目がさめ、札幌行きの最終的な準備をする。準備といっても、持っていく本を選ぶことだけだったりする。

7時30分頃、家を出て、羽田空港へ。朝食は空港内の<アカシア>で、ロールキャベツを食べるつもりだったのだが、結局、牛たん麦めし弁当。これは、これで、美味しかった。

乗るのは10時発の便。オーバーブッキングのため、1時間遅れの便に変更してくれる人を募っていた。1万円をくれるという。今回の旅費は、ネットで見つけた格安のプランで、往復飛行機代+3泊のホテル宿泊代込みで4万円というもの。そのうえ、1万円をもらったら、さらに格安になってしまうが、早く北海道の大地を踏みたいので、そのまま当初の便に乗り込む。

実は飛行機が苦手で、少しの揺れでも敏感に反応してしまう。その気持をごまかすために、今まで、飛行機内の読書は、あえて飛行機墜落ものの吉岡忍『墜落の夏』(新潮文庫)などを読んだりしていた(どういう心理なのか)。仕事で、アメリカに行ったときも、ジョン・ヴァーリー『ミレ二アム』(角川文庫)を読んでいたっけ。

今回は、大人になったのか、機中の友は、青木正美『古本生活五十年』(ちくま文庫)。しかし、松川事件のことが読みたくて、昨日、読んだ松本清張『日本の黒い霧(全)』(文藝春秋)には、「もくせい号事件」のことが載っていたりして、気が滅入った。

びくびくしながらも、無事に新千歳空港に到着した。JRで小樽に向かい、運河やガラス工芸品などを眺める。古本屋は、時間がないので一軒だけ。野村宏平『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫)に載っていた<BOOKS 1/2>に寄る。なかなか、いいお店で、品揃えもよく、近所にあったら嬉しいお店だが、買えるものがなかった。こんなときもある。

札幌に移動し、ホテルにチェックインを済ます。夕食は、<サッポロファクトリー>という施設内にある<麦羊亭>http://r.gnavi.co.jp/h001201/で、ジンギスカンを、お腹いっぱい食べる。美味で満足。
ホテルの風呂とベッドで、多川精一『焼跡のグラフィズム』(平凡社新書)を読んで、眠りに落ちた。